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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女お仕事を始める。
142/186

幻獣様は、乙女が一番。9


ニケさんオススメのお店は、ボリューム良し!味良し!!値段良し!!!という三拍子揃ったお店だった。


しかし、ボリューム〜〜〜!!!

私とヴィオは目を丸くしたけど、ロベルク団長さんとニケさんの胃袋はブラックホールだと思うくらい、ひょいひょい入って行くので、私はポカーンと口を開けてしまったよ。


「やっぱり騎士さんって、沢山食べるんですね‥」

「そうだねぇ、僕ももっと食べて強くなる!!」


「う、う〜〜〜〜〜ん????」


なんて返すのが正解なのだ‥。

ちょっと遠い目でいるとロベルク団長さんとベルナさんに笑われてしまった。うちの幻獣様、目指せ騎士さん!そして魔法使いでして‥。



ロベルク団長さんは、そんな会話をする私達を見て、



「こんな風に一緒に食事をできる機会が与えられて本当に嬉しく思います。幻獣様の存在というのは、お守りする事はあっても、お話する機会はなかなかありませんしね‥」



そっか。

神殿の神官さんとは話す機会はあるけど、いつも守ってくれる騎士さん達って確かに話す機会がないなぁ。こういう機会って、本当にないのか‥。


すると大きなお肉を口いっぱい頬張ったヴィオは急いでお肉を食べると、



「これから、沢山話そう。この国を良くしていく為に、平和の為に。だから、また訓練とか食事を一緒にしよう!」



ニコッと笑って話すヴィオにロベルク団長さんはちょっと目を見開いて、それからすごく嬉しそうに微笑んだ。


「はい、いつでも!」

「約束したからね!」


ヴィオの笑顔に、私も思わず微笑んだけど‥

訓練‥やっぱり騎士団に行って、またしよう!って思ってたな。心臓に悪いんだけどなぁ〜〜って、ちょっと思っていると、そんな私の思いを見透かしたのかベルナさんが静かに頷いてくれた‥。良かった、私だけではなかった。



そうして、お店のおばちゃんと娘さんにお礼を言ってお店を後にすると‥、

騎士さん達に案内してもらって、いよいよキートの神殿へ行く。



「あそこがキートの神殿です」



ロベルク団長さんが指さすと、

長い階段の上に、石造りの大きな水色の建物が見える。神殿までの階段は、青く塗られていて、水を思わせる。


「道を青く‥」


私がそう呟くと、ロベルク団長さんが頷いて‥



「ここ、キートは水が豊かでしたから‥。最初はここに本神殿があったんです。パルマが首都になってから、あちらに本神殿が移されましたが、ここも本神殿と同様の癒しの力があるとされています」



そ、そうだったんだ!

じゃあ、本来はここがヴィオにとっての神殿だったかもしれないな。

小さなヴィオは神殿をじっと見て、周囲を見る。


「力‥ね」

「ヴィオ?」


「ううん、なんでもない。キサ、そろそろ大きくならないと‥」

「あ、そうだね。えーと‥」


周囲を見ると、階段の手前に東屋があったのでそこで騎士さん達に壁になってもらってヴィオの本来の姿に戻る。ロベルク団長さんと騎士さん達はそんなヴィオ見て、また驚いていた。ま、そうだよね。人間の体が大きくなったり、小さくなるなんて驚くよね。


「キサ、行こうか」

「あ、うん」


大きなヴィオの手を握って、長い階段を上っていく。

神殿に参拝に来た人達は、私やヴィオ、騎士さん達を見てちょっと驚いている。そうだよね〜‥、本当は転移の予定だったけど、普通に行くって言っちゃったしなぁ。



すると、神殿の入り口から神官さん達が慌てて出てきて、さっき騎士さん達に文句を言っていたテレッサさんも汗を拭きつつ、こちらへやってくる。



「シルヴィオ様、こちらへ来ると仰って頂ければお迎えに参りましたのに‥」

「いや、大丈夫だ。ロベルク団長、ありがとう」



ロベルク団長さんを見て、ヴィオがお礼を言うとピシッと敬礼する。さっきまでの柔らかい空気から、ピシッと空気が締まっている。もう仕事モードなんだなぁ‥、そう思っていると、神殿の奥からカツカツと足音がする。



「幻獣シルヴィオ様、本日はキートの神殿へようこそいらっしゃいました。キート大神官のアスタルと申します」



大神官??と思うほど、綺麗な金髪の髪をスッキリ結った美女が白いローブを着てこちらへ歩いてきた。え、だ、大神官っておじいちゃんとかじゃないの??

驚いた私を、アスタルさんは妖艶に微笑んだ。



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― 新着の感想 ―
[一言] うわぁヽ(´Д`;)ノ 数話前の神官長の登場に加えて、大神官の怪しさ、、、そしてヴィオ君の呟きと。。。。 不穏な空気しか流れてないo(T◇T o)
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