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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女お仕事を始める。
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幻獣様は、乙女が一番。7


ロベルク団長さんに街を案内してもらったけど、パルマの神殿の街とはまたちょっと違って、建物が青い系統のものが多くかった。


「‥パルマの方は白いのに、こっちは青なんですね」


私がそう呟くと、ロベルク団長さんが頷いて、


「こちらは水が豊かなので、青色の建物が多いですね」


ヴィオの持っている幻獣の力は、「水」だけど‥、

なるほど幻獣様達は知らされていなかった本来の力は、こんな感じでひっそりと残っていたんだな‥。ヴィオもそう感じたらしく、街のあちこちにある水場を見て興味津々だ。



「ニケがこちらの食堂へシルヴィオ様を案内しようと思っていたそうですが‥、そのお姿では目立ってしまいますね」



食堂を見ると、なるほど庶民の食堂といった店構えだ。

でも、ニケさんのオススメのお店って美味しいものがいっぱいだしなぁ。


ヴィオを見て‥、


「ちょっとだけ小さくしてもいいですか?」

「「ええっ!!??」」

「そうすればあまり目立たないかな〜って‥、ダメですか?」


私がじっとヴィオを見ると、渋々‥といった顔になる。



「‥じゃあ、ちょっと見えない所で」

「あ、そうですね。目立ってはまずいですし‥」



そういって、ロベルク団長さん達に壁になってもらいつつ、ちょっと薄暗い小道にヴィオと入っていく。道の手前でニケさんと、ベルナさんが見張りをしてくれているので、私がヴィオの手をギュッと繋いで、小さくしようとするとヴィオがギュウッと私を抱きしめる。



「「ヴィオ!!??」」

「ちょっとだけ‥?」



そう言って、私の唇にキスをしてニコッと微笑む。

な、なんでキス!!??

真っ赤になった私をヴィオが嬉しそうに見つめている。



「さっき格好いいって言ってくれて嬉しかった!!」

「〜〜〜〜わ、わかりましたけど、今はそれどころじゃないでしょう!」

「うん、だからちょっとだけ‥」



私の頬を優しく撫でて、唇を寄せてきたので慌てて「小さくなれ!!!!」って念じると、シュンと音を立てて、ヴィオが5歳くらいになった。あ、小さくなり過ぎた??でも、そのサイズ感に私はホッとしてしまう。



「「もう!!キサもう一回くらいキスさせてよ!!」」

「‥‥もう十分です」


「じゃあ、後でね!!」

「ええええええ〜〜」


「「もう!キサってば!僕たち、夫婦なのに!!」」



ふ、夫婦!!

思わず顔が赤くなってしまうけど、5歳児のヴィオに言われると、心が和んでしまう私。うう、ずっとこのサイズなら安心なんだけどな。そんなことを思っていると、ヴィオは魔法でさっとブカブカになった服を自分の体のサイズに直してしまった!


「いつの間にそんな事をできるように??」


驚いてそう話すと、小さなヴィオはニマッと笑って‥、



「いつでもキサを守りたいからね!!」

「‥‥同時に守られるべき存在なのも覚えてくださいよ〜〜」


「「ダメ!僕は守りたいの!!」」



本当にこの幻獣様は言う事を聞かないなぁ〜。

そう思ったけど、アイムさんにしても、ターシェさんにしても、スメラタさんだってあまり神殿の神官さんのいう事、聞いてないなぁって思い出した。


アイムさんなんて思いっきり振り回してるしね‥。



小さなヴィオが私の手をぐいっと引っ張って、


「キサ!早くご飯食べに行こうよ!!」


その声にはっとして、ヴィオを見る。

そうして、私はサッとヴィオを抱っこする。



「あ、なんで抱っこするの!!僕、大人なのに!」

「今は子供です〜」



私はそう言って、ヴィオの頬にチュッとキスをする。

ヴィオが言う事きかないなら、私は小さい時のヴィオを可愛がっちゃうもんね!ちょっとだけやり返せた気分になって、ヴィオを見ると、目を丸くして私を見ている。


「ヴィオ?」


私が名前を呼ぶと、ヴィオの顔が急に赤くなって‥、



「キサは、本当に可愛くてずるい‥」



って言うので、私まで赤い顔でニケさんとベルナさんの元へ行く事になった‥。もう!絶対ヴィオの方がずるいと思う!!



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