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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女お仕事を始める。
138/186

幻獣様は、乙女が一番。5


訓練で騎士さん達と試合をして貰って大満足!といった様子のヴィオ。


ニケさんは、戦ったヴィオを見て

「次回は剣をこう持つといい」とか「足さばきはさっきのは良かった」と、すっかり先生モードだ。うーん、結構お仕事熱心だなぁ。ヴィオもそんなニケさんの言葉をしっかり聞いていて微笑ましかったけど。



ロベルク団長さんも、ニケさんのアドバイスやヴィオの様子を見て「うちの騎士も、今度あの辺を訓練するか」って呟いていた‥。騎士さんって熱心なんだなぁ。



嬉しそうなヴィオを見て、私が行きたいという要望でなく、これヴィオが行きたかった!で間違い違いないな〜って、思った‥。試合は終始ハラハラしたけど騎士になる!って言っていたヴィオの夢が一つ叶ったみたいだし、良かったかも?



模擬試合を終えて、ニケさんとヴィオが和気あいあいと騎士さん達と片付けをしていると、お客さんが来た‥と、ロベルク団長さんに騎士さんから知らせが入る。



「客?いきなり誰だ?」

「それが…神殿からでして」



神殿???

ロベルク団長さんの顔がちょっと歪む。え、何かあったのかな?


私はベルナさんに小声で話す。


「お迎え‥に来たんですかね?」

「どうでしょう。神殿には街で昼食を‥と思っていたので夕方に行くと連絡しましたが」


じゃあ、ただ騎士団に用があったのかな?

そう思っていると、でっぷりしたお腹の白いローブを着たおじさんが訓練場まで神官さん達を連れてやってきた。ニヤニヤと笑って、長いあご髭を撫でながらロベルク団長さんを見て、



「「やあ、ロベルク団長。今日も訓練かな?精がでるね」」

「こんにちは、テレッサ神官長。本日はどのようなご用件で?」



神官長!

神殿で2番目に偉い人か。

ベルナさんが私の体をそっと自分の陰の方へと隠したので、その間に貸して貰ったストールで顔を隠すようにかぶり直す。なんだかちょっとあまり良くない雰囲気だし‥。


神官長さんは、私達をチラッと見つつ、


「いつもの事さ。この平和になった時代に騎士団に予算は、もうそんなに必要ないんじゃないかとね‥?なぁ、お嬢さん達もそう思わないかい?」


え、私達??

っていうか、待って、もしかしてベルナさん‥お嬢さん枠に入ってない?

そっとベルナさんの横顔を見ると、とてもいい笑顔で神官長さんに笑いかけて‥、



「そのような政治的意見は分かりませんが、騎士さん達の働きは素晴らしいと思いますよ?」



いつもより低い声で話した〜〜!!!

神官長さんはベルナさんの声に驚いて目を丸くするので、私は思わず笑いそうになるのを必死に堪えた。だ、ダメ!!今は笑ってはダメだ。チラッとロベルク団長さんを見ると、そちらも笑いを堪えているのか肩を震わせている。良かった私だけじゃなかった。



神官長さんは、ちょっとバカにされたと思ったのか、

私達をジロッと睨むと、


「これだから騎士というヤツらは‥」


と、吐き捨てるように話す。

ちょっと、いつも守ってくれる人達なのに!そう思って、私がベルナさんの陰から出ていこうとすると、



「「おや、僕達を守ってくれたのは、その騎士達だが?」」



ヴィオの声に振り向くと、ニコニコ笑いながら甲冑を着たままこちらへやって来る。神官長さんは、苦虫を潰したような顔をして、



「僕達??誰だ、お前は‥」



え?神官長さんなのに知らないの??

私がびっくりしていると、ヴィオはニコッと微笑んだかと思うと、大きな銀狼に姿を変えて、ふわりと神官長さんの前に降り立った。



途端、神官長さんも周囲にいた事情を知らなかった騎士さん達も目を丸くして、声をあげた。



「「パルマの幻獣、シルヴィオだが?」」



ニヤリと笑ったヴィオに見下ろされた神官長さんはペタリと腰を抜かすと、ロベルク団長さんは今度は堪えきれなかったようで思い切り吹きだした。あ、笑っちゃったけど大丈夫かな??




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