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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女お仕事を始める。
134/186

幻獣様は、乙女が一番。1


そうしてヴィオとの約束通り、その2日後隣街のキートという街へ行く事になった。


なんでもパルマの次に大きい神殿らしくて、ニケさんは以前そちらで勤めていたらしい。ニケさん、ベルナさん、ヴィオと私とで夕食を食べつつ、色々教えてくれた。


「あそこは騎士団も大きいのがあるんで、そこから通ってたんだよ」

「そうなんですか!」


騎士団!!

そういえばニケさん騎士さんだったね。

いつもはヴィオに剣を教えてるから、つい剣の先生みたいに思っちゃって‥。


ベルナさんはちょっと笑って、


「ニケは剣の腕がそこで1・2を争う実力者でしたから‥、こちらへ呼ばれた時は、騎士団の皆さんがちょっとだけ寂しそうでしたね」


「おい、ちょっとだけってなんだ、ちょっとだけって」


ニケさんのツッコミに思わず笑ってしまう。

そうかちょっとだけ寂しそうだったのか。でも、なんだかんだで気さくなニケさん好かれてた気がするなぁ。こっちの騎士団ってどんな風なんだろう。



「キサ、騎士団も見たい?」

「えっ?!」



ヴィオの提案に驚いて顔をまじまじと見てしまう。

ちょっと拗ねたような顔だけど、ど、どうして??


「なんか興味ありそうだったから‥」


「あ、ああ‥、小さい頃からいつもヴィオが騎士になる!って言ってたから、どんな騎士さん達がいるのかなって思ったんですけど、いいんですか?神殿にも行くのに‥」


私がそう言うと、ヴィオの耳が途端にピンと立ち上がる。



「‥僕が目指してたから、見に行きたいの?」

「え?えーと、そうなりますね??」



私がそう言うと、ヴィオの尻尾が嬉しそうにパタパタと揺れて、ニコニコしながらヴィオはニケさんとベルナさんを見る。するとニケさんは、横目でそんなヴィオを見て、



「わーったよ!!日程に組み込んでおく!訓練も参加したいんだろ?」

「うん!!頼む!!」



く、訓練!!??

私はヴィオを見て、目を丸くするとヴィオはニコッと笑って、



「「日頃の特訓の成果を見せるね!!」」

「待って!!ヴィオ、貴方は幻獣であって、騎士では‥」


「「よーーっし!!それまでに訓練頑張るね!!!」」



だめだーー!!聞いてない!!全く聞いてない!

少しでも格好いいところを見せたいのかな?分かるけど、怪我をしないといいんだけど‥。ちょっとハラハラした顔でヴィオを見ると、ニケさんが面白そうに笑って、



「坊ちゃんの訓練の成果をたまには見てやってくれ。大丈夫、騎士も手加減はできるぞ」



そう言うので、ヴィオはキッとニケさんを睨んで、


「「手加減無用!!」」


って言うけど、ヴィオ〜〜!!!

私は心配なんですけど〜〜!!ベルナさんがニケさんの顔を引っ張って止めてくれた‥。ありがとうございます。



あっという間に2日後になって私は朝から支度に忙しい。

主に張り切るヴィオの支度だけど。


「キサ〜〜、髪結んで」

「はいはい」


今日は出かける為に、耳も尻尾もないので、髪のセットはしやすいな。

そう思いながら、髪を梳かしているとヴィオが私を見て、



「後でキサのもするからね」

「簡単なのでいいですからね」


「だめ!!キサをうんと可愛くする!!」

「そ、そんな〜〜」



時間も押しているから、簡単でいいんだけどなぁ〜。

今日はヴィオの髪は後ろに束ねるけど、結び目を細かい三つ編みでくるっと巻きつけるヘアアレンジだ。シンプルなんだけど、ちょっと凝ってる感じでなかなかいいな。


満足げにヴィオの髪を見ると、交代!とばかりに鏡の前に座らされて、私の髪を丁寧に結ってくれるヴィオ。


「‥大人になるって、色々してあげられて嬉しい」


嬉しそうに鏡越しに微笑んで、私を見つめるヴィオ。十分してくれているのに‥。

ちょっと眉を下げて笑うと、



「もっと、もっとしたいけど‥」

「もう十分ですよ?」



ヴィオは、チュッと後ろから私の頬にキスをして、



「甘やかすのもしたい」

「「じゅ、十分です!!!!」」



これから出かけるのに、顔を赤くさせるような発言をしないでくれ〜〜!!!私は赤い顔で、鏡ごしにヴィオを睨むと、楽しそうに目を細めるヴィオだった‥。もう!!子犬の方が可愛かったなぁ〜!!



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