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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女お仕事を始める。
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幻獣様は、乙女が一番。


幻獣のヴィオの守り月が無事に終わって、今度は自分の国を守る月になった。


ヴィオの次は、本来ターシェさんだったんだけど、

このゴタゴタがあって、年長者組のレオルさんか、スメラタさんに…という話だったんだけど、今回はスメラタさんになった。安定のお兄さんである。



ヴィオが「きっと驚く!」と言った通り、ロズとダズの国だけでなく、他の国も浄化されていたのを見て驚いたらしい。朝のお祈りが終わったヴィオと一緒に部屋のベッドに座りつつ嬉しそうに教えてくれた。



今後は神殿でお祈りしたり、国を回って、違う場所の神殿でもお祈りするそうだ。なかなか幻獣様も忙しそうだ。



「何はともあれ、初めての守り月をようやく終えてホッとしたよ〜〜」

「お疲れ様でした」



長い銀髪を撫でると、ヴィオは嬉しそうに微笑んだ。



「ね、キサ、髪を編んで」

「はいはい、ちょっと待って下さいね」



お付きの神官さんもやってくれるんだけど、最近はずっと私に結んでもらいたい!と言って、朝のお祈りが終わるとせがむようになった。


小さいヴィオ同様、可愛いなぁ。


鏡の前に座ってもらって、ヴィオの髪を本日はサイドを編み込みして、後ろに一本にまとめる。銀色の髪はサラサラして手触りが綺麗だ。羨ましいくらいのキューティクルだなぁ。



鏡ごしにヴィオは私を見て、


「キサの髪も伸びてきたね!」

「そうですね〜、一年も切ってないと、こんなに伸びるんですね!」


ショートボブだったのに、今や肩の下辺りまで伸びた私の髪をヴィオは見つめて、



「僕もキサの髪を結びたい!」

「え、ええ??」



髪を編みつつ、ちょっとどきりとする。

だって、大きいヴィオは格好いい。長い指に触れられるだけでドキドキしてしまう。いつも照れてしまう私にヴィオは「もう!キサ、早く慣れて!」って言うけど‥。な、慣れるのかなぁ???



ヴィオの髪を結ぶと、今度は私が鏡の前に座らされる。

じっと私を嬉しそうに見て、髪に触れるヴィオにドキドキしてしまう。こんな美容師さんいたらすっごい人気になっちゃうんだろうなぁ。



「えーと、キサがしてくれたの僕もやりたいんだけど‥」

「ああ、編み込みですね。えーと、これをこうして‥」



自分で髪を編みながらヴィオに教えると、何度か練習したヴィオはすぐにやり方を覚えてしまった。幻獣様って、アップデートもインストールも早い気がする。


私とお揃いにしたかったのか、サイドを編み込んで同じように後ろで結ってくれた。



「わ、ヴィオ上手ですね!」

「本当?じゃあ、明日からキサの髪は僕がするね!」



うーん、神官さんの仕事がどんどん無くなってしまうのでは?

とはいえ、嬉しそうに尻尾を振っているヴィオにそんな事も言えず、私は笑うだけに留める。一時は一緒にいる事を諦めていたしね。



つい最近魔の門に二人して引きずり込まれたし、しばらくは平和に過ごしたい‥。

ヴィオは私とお揃いの髪型を嬉しそうに見つめて、



「今度、隣の街の神殿へ一緒に行くことになったんだ!幻獣が色々回ってお祈りすると、神殿も浄化されるんだって。キサ、一緒に行こうね!」


「そうなんですか!?隣街かぁ〜、初めて行きますね」

「うん、なんでも美味しい食べ物がいっぱいあるんだって!」



それは楽しみだなぁ〜!!

守り月はなんだかんだで大忙しだったから、ようやくゆっくりできそうで私も嬉しい。

ヴィオはもうワクワクした顔をしている。



「キサ、隣街に行ったら神殿だけなく、街へも行こうね!約束!」

「はい一緒に行きましょうね」



私がそう言うと、約束に頷く私を見て破顔するヴィオ。

‥ちょっと前まで、約束もできなかったもんね。小さく笑うとヴィオが感極まったように私を後ろからギュウッと抱きしめて、尻尾をパタパタと揺らすのだった。か、可愛いな。



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