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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女お仕事を始める。
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幻獣様と世界と乙女。10


真っ暗な世界に押し出された私は、白虎をぎゅうっと抱きしめるけど、上も下も分からない!!

ど、どうすればいいの〜〜〜!??



「「キサ!!」」



私の体を大きな腕が抱えるように抱きしめる。

大きな腕‥?


顔を上げると、ヴィオが大人に戻ってる!??い、いつの間に??目を丸くして、ヴィオを見ると‥



「さっきの黒い鳥に押し出された時に、力を貰った気配がしたんだ。魔の国の力のある者なのかもしれない」


「そ、そうですか‥、でも今は良かった」

「うん、もうきっと外へ出られると思うしね」



外へ?

って、私達の世界へって事??


すると、真っ暗だった門の中が、急に眩しくなった!!

周囲を見ると、大きな白い石造りの神殿の中だ。柱一つひとつが、ものすごい大きさと太さで、それだけで目を丸くする。


そして、よく見るとあちこちに大きな扉が見える。ああ、これがもしかして色々な世界に通じている扉‥、なのかな?そのうちの一つの扉が私達の前に、ふわりと浮かび上がる。



『ここへ‥、白虎をありがとう』



どこからか、女性なのか、男性なのか分からないけど、誰かの声がして‥、ヴィオがハッとした顔になる。



「‥‥‥神様の声だ」



神様?


驚いて、ヴィオを見上げると腕の中の白虎が目をパチっと開ける。

あ、お、起きた?すると白虎は私を見て、嬉しそうに喉を鳴らす。あ、か、可愛い‥。よしよしと頭を撫でると、目を細めて、そうしてふわりと宙に浮かんだ。


「え?ど、どこへ行くの??」

「‥神様の所へ、帰るんだと思う」


私はヴィオとふわふわと浮いている白虎を見る。



「帰っちゃうんですか?」


「ロズとダズは、まだまだ戻れる状態でないし、白虎も金色の力があって姿を取り戻したけど、あの力の少なさじゃあ、こっちへ来ても生きていけないと思う‥」



そうなの?

せっかく助け出したと思ったのに‥。


白虎は、私とヴィオの顔にちょっと頭を擦り付けると、声のした方へ駆けていく。そうして、そのままスゥッと体が消えてしまった‥。




その瞬間、目の前の扉が開いて、またも吸い寄せられるように扉が開き、外へと勢いよく押し出されて、私とヴィオはボールのようにコロコロと空中を転がっていった。



め、目が回る〜〜〜!!!



そう思っていると、がっしりと体を掴まれて‥、そろっと目を開けると、


「「キサ!!!」」


目の前に、スメラタさんやレオルさん、アイムさんが私とヴィオの体を地面に落ちないように体を支えてくれていた事に気付く。



「こ、ここ‥、戻ってきた??」

「うん、門が出してくれたみたい」



私を抱きしめていたヴィオがそういうと、私は慌てて門の方を見る。

さっきまで大きな門がそこにあったのに、門が下の方から消えていくのが見える!!



空を飛んでいたターシェさんが、地面を見て驚いた顔をする。


「魔の者が、黒いもやを持っていってる?」

「え?!」


私がヴィオの腕の中から、地面を見ると、黒いもやを魔の者が腕いっぱいに抱えながら細く開いた門の中へと引きずられるように、戻っていくのが見えた。黒い鳥の言ってた通りだ!!



白虎を連れていけば、魔の者が喜んで穢れを食べてくれるって言ってたけど‥、本当に食べてるの!?



驚きと共にその光景を見ていると、門の中へ黒いもやを魔の者は引きずっていき、やがて低い唸り声のような音と共に門は静かに閉じられ跡形も無く消えてしまった。



幻獣の皆も、魔の者を追い払おうとしていた神官さん達も、ちょっと呆然としてその光景を見ていた‥。



「消えた‥」



私がポツリとそういうと、ターシェさんが思い切り勢いよく飛んできて、私を、そしてみんなを抱きしめる!!



「おかえりキサ!!!無事で良かった!!!」

「あ、ちょっと!!ターシェさん、ずるいです!!くっつきすぎです!!」



ヴィ、ヴィオ〜〜!!

ちょっと慎んで下さい〜〜!!

あとちょっと待って?!現状を確認しましょうよー!!




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