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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女。
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幻獣様は成長したい。


ヴィオは、1ヶ月のお祝いを無事終えるとますますお喋りになるし、「抱っこして」「膝の上に乗る!」と、甘えん坊全開だ。


もちろん喜んで〜!と、ばかりに抱っこしたり、

膝の上に乗せたり、頭を撫でたりする。


あっという間にあれから2ヶ月が過ぎようとして‥、あと少しで3ヶ月のお祝いをする日が来る。


ベッドの上で、ヴィオの銀色の毛並みを撫でながら



「ヴィオの体も大きくなってきましたねぇ‥」



そう言うと、ヴィオはちょっと得意げだ。まだ今は、犬でいえばまだ小型犬くらいだけど‥。幻獣って、3・4メートルくらい‥場合によってはもっと大きく成長するって言ってたから、一年経ったら、私は潰されるのではないか‥?


ヴィオは私を見て、



「大きくなったら抱っこできない?」

「そうですねぇ、大きくなり過ぎちゃうと無理ですねぇ‥」


「ええ〜〜〜嫌だ〜〜」

「今の内に、抱っこを沢山しておきましょうね」



そういって、膝の上に乗せてギュッと抱きしめると、

ヴィオの尻尾が嬉しそうにパタパタ揺れる。

今日も可愛い〜〜!!



最初に魔物とか刺客が来るかも‥なんて言われてから緊張していたけれど、ここまで無事に過ごせて何よりだ。そっと銀色の背中を撫でていると、ドアをノックする音が聞こえる。



「誰だろ‥」

「僕が行く!!」

「いや、ヴィオがいっちゃダメですって!!」



君は、まずドアが開けられないでしょうに!!

私が慌ててドアを開けると、ベルナさんと、後ろにもう一人男性がいる?


茶色のちょっと短く切った髪に、目元に傷があるけど、キリッと爽やかな感じのイケメンだ。優しそうなベルナさんとはまた違うイケメンさんだなぁ。



「初めまして!!パルの騎士団から派遣されて参りました!ニケ・トラインと申します!」


「あ、はい、キサと申します。よろしくお願いします」



き、騎士団???

目を丸くして、ベルナさんを見ると‥小さく笑って、



「彼はこの国の騎士団の中でも、剣の腕がピカイチの男なんですよ。今回、そろそろ3ヶ月のお祝いをするのでシルヴィオ様の警護と、剣を習いたいとシルヴィオ様たってのお願いもありまして‥」


「警護は分かるけど‥、剣を習う!???」



思わずヴィオを見るけど、その肉球が剣を持つの??

私は得意そうな顔のヴィオを見て、そっとしゃがむ。



「‥‥いつ、剣を習いたいなんて言ったんですか?」

「ちょっと前に、ベルナといる時に」


「でも剣って危ないんですよ?」

「知ってるよ!でも、キサを守りたいし‥」



いや、守られるのは貴方であって、私ではないですよ?

最近は言い出したら、テコでもコテでも曲げないからなぁ‥。僕は絶対!!剣を習う!!!という意思をヒシヒシと感じるけど、口に剣を咥えるのか?どっかの剣豪みたいに??


ちょっとため息をついて、


「剣は分かりましたけど、無茶しちゃダメですからね?」

「分かった!!!」


頭上で、ベルナさんとニケさんの笑う声が聞こえる。

立ち上がって、ニケさんに頭を下げた。



「‥すみませんが、ヴィオ様をよろしくお願いいたします」

「はい!承知致しました!」



さっと敬礼をしてくれて、おお、流石騎士さんだなぁって、ちょっと感動してしまう。昼食後に、3ヶ月のお祝いの際の警護のお話をしたいという事だったので、了承してからそっと部屋の扉を閉めた。



「‥はぁ、やっぱり騎士さんって格好いいですねぇ‥」

「僕も格好いい!!!」


「はい、ヴィオももちろん格好いいですよ。大きくなってきたし、銀色の毛並みも綺麗です」

「もっと大きくなるからね!!そうしたら、剣も使うから!!」



剣は諦めて欲しいんだけどな〜〜‥。

魔法とか使えれば良くない?怪我をするヴィオを考えると怖くて‥、私は考えただけで、背筋がゾワッとしてしまう。もうちょっと大人しめの魔法使いが活躍する童話を読み聞かせしておこう。そう心に誓った。




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