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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女お仕事を始める。
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幻獣様とお仕事。7


結局、ヴィオは私の向かいの席に座って静かにお茶を飲んでいた・・。



距離が近い!とか、意識してないとか・・なんだか落ち着きがない。もしかして、ちゃんと仕事できるかなって、ヴィオも緊張とかしてるのかな?



夕食の時間になって、隣で食事をしているヴィオをそっと見るけど・・、コーレンさんやアイムさんといつも通りの様子で会話している・・。

うーん、緊張してる感じではない・・よね?



アイムさんは、ニコニコしながら・・


「明日さ、火山のとこに行こうと思うんだけど、シルヴィオにちょっと手伝って貰いたい事があるんだ」


「手伝い?」

「火山の中に、地下水もあるんだけど・・、俺は水の力を動かすの不得意だから・・、ちょっと詰まってる所を流して欲しいんだ」


へ〜・・!地下水!!

ん?待てよ、地下水に火山の近くって・・



「もしかして・・温泉ってあります?」

「お、キサの所にもあったのか?うちの神殿は全部その温泉が引いてあるんだぜ?」


「え!!そうなんですか!!」



温泉掛け流しを神殿で味わえる!!?

思わず目がキラキラしてしまう。

パルマも、もちろんお風呂はあったけど・・、温泉掛け流しなんて贅沢すぎない??


お風呂に早く入りたい・・。

ウズウズしていると、アイムさんが面白そうに笑って、


「キサはお風呂好きなんだな!」

「お風呂というか、温泉ですね〜。特に冬場が最高です!」


私がそう話すと、ヴィオは目を丸くして私の話を聞く。

あ、そうか。これも言った事ないもんね。ヴィオはちょっと寂しそうな顔をして・・、



「・・僕、キサの事・・あんまり知らないね」



そ、そうかな?!

ああ、でもこの一年はヴィオを守る事と、会えなくなると思って・・お互い手一杯だったしね。私はちょっと小声で、


「これから知っていけばいいんですよ。お互いに」


そういうと、ヴィオは嬉しそうに微笑んでくれた。

時間は何せいっぱいあるしね。




そんな訳で明日は、火山の地下水の詰まりを取るお仕事をアイムさんと一緒に行くことになった。私は・・ベルナさんとお留守番である。


部屋へ戻る前にアイムさんが、綺麗な瓶に入った果物のジュースをくれて・・


「これな、俺は風呂上がりによく飲むんだけど、美味しいぞ!!」


と、笑顔で言うんだもん・・。お風呂上がりにジュース!!最高ではないか!もちろん有り難く頂きます!!



部屋へ戻って、温泉掛け流しのお風呂場を見に行くと・・

外の景色が見えるようになってる!!

ま、まんま温泉旅館みたいだ!!



「ヴィオ!!お風呂場がすごい素敵です!!」

「え、あ、本当だ・・。外が見えるだね」


「ね!!うわぁ〜〜お風呂楽しみ〜〜!!」



もうウキウキでヴィオに笑いかけると、ヴィオはまたも言葉に詰まったような顔になる。・・あれ?本当に大丈夫かな?


「ヴィオ、気分が悪いですか?」

「え?な、なんで・・」


「だって、部屋に入った途端に静かになるから・・」

「だ、大丈夫!明日の地下水の事、考えてただけ!」


あ、そっか。

明日は仕事だもんね。


「じゃあ、ヴィオ明日仕事になりましたし、先にお風呂どうぞ。私は後でゆっくり入りますから!」


「う、うん・・・」


そう言う割に、なんだか納得しているような・・いないような顔をして、ヴィオはお風呂場へ行った。・・大丈夫かな、明日・・。私は冷蔵庫みたいな箱にジュースをしまって、テラスでのんびり外を眺める。



こんな風にお出かけもいいもんだな〜。

お泊まり旅行なんてどうしよう!って思ったけど、良いところだし、アイムさんもコーレンさんも勢いはすごいけど、良い人だし・・うん、旅行もいいもんだなぁ。



そんなことを思いながら、ポツポツと薄暗くなってきた街並みに灯りが灯るのをぼんやりと見ていたのだった。



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