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幻獣様のお世話係始めました。  作者: のん
幻獣様と乙女お仕事を始める。
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幻獣様とお仕事。6


アイムさんやコーレンさんに私のいた世界の話をすると、それはそれは大興奮であった。


結局私の話になっちゃってるけど、いいのかな??

ヴィオをちらっと見ると、小さく笑っているので・・うん、いいことにしよう。



すっかり話し込んでしまった事に気付いたコーレンさんが慌てて、


「申し訳ありません。お部屋でお休み頂こうと思っていましたのに・・、いや、夢中になってしまって・・」


ちょっと恥ずかしそうに謝るおじいちゃんの可愛さよ!

私は大丈夫ですよ〜って、言いつつ頬が緩んでしまう。



コーレンさんと、アイムさんが一緒に部屋まで案内してくれたけど、長い渡り廊下の両側から滝が流れていて・・、水の上を歩いている気分だ。私はワクワクしてあちこち見るので、ヴィオが心配そうに私を見て手をしっかり繋いでくれる。



「・・ご、ごめんねヴィオ。つい夢中になって・・」

「いいよ、キサが楽しそうだし」



うーん・・・、半年前までは私が手を引いていたのに・・。

今やこんなに立派な青年になってしまうとは。


感慨深く思いながら、長い廊下を渡り切ると、手前の部屋にニケさんとベルナさん、奥の部屋に私達が通される。アイムさんはニヤニヤしながら、私達を見て・・



「この部屋、いつも他の幻獣が遊びに来た時に泊める部屋なんだけど、一押しは絶景だ!!」



そう言って扉を開けると、

本当に絶景が自慢だけあって、街並みと入り江が遠くに見え、更に奥には火山だろうか・・、大きくなだらかな山が見える。下を見ると、神殿の周りにヤシの木のような植物が並んでいて・・風に吹かれて揺れている。



「すっごい!!本当に綺麗〜〜!!ヴィオ、すごいです!!」



これは、あれだ・・。

南国だね!!うわ〜〜、こういう所、行ってみたかったんだよね〜!!

・・・あっちの世界で。今はもう・・無理だけど。


ヴィオはウンウンと嬉しそうに頷いてくれて・・、


アイムさんが、「あっちに海があって、遠くにあるのがうちの名物の山だ!」と張り切って教えてくれて、今度は私が目がキラキラしてしまう。



ひとまず、お茶をたっぷり頂いたので、部屋で夕食までゆっくり休んで欲しい・・ということになり、まだ遊びたい〜とぐずるアイムさんをコーレンさんと、他の神官さん達がズルズルと手慣れた様子で引きずって部屋を出る。


と、ようやく周囲は静かになった・・。



ニケさんもベルナさんも流石にグッタリしてたので、夕食まで部屋で休んでもらう事にして、私たちもようやく休憩だ。テーブルと椅子がこの部屋にはあったので、椅子に座るとヴィオも向かいの席に座る。



「流石にちょっと疲れたね・・、大丈夫?ヴィオ??」

「・・・うん・・」



うん・・って言ってるけど、元気ないよね??

もしかして、熱とか!?


慌てて椅子から立ち上がって、ヴィオの額に手を当てる。

自分の額にも手を当てるけど、うん熱はない!


「き、キサ!!??」

「熱があるのかなって・・、あ!手を貸してください!」


急いで手を繋いで力が減ってないかを確認する。すると、ヴィオが顔を赤くする。あれ??やっぱり熱??



「き、キサ!??」

「熱はないし、力も減ってないけど・・大丈夫ですか?顔が赤いけど・・」


「そ、それはキサが近いから・・」

「・・いつもゼロ距離のヴィオが言うの?」



君の方が私にいつもくっ付いているのに近いって・・。

ヴィオをまじまじと見ると・・、じとっと見上げられる。



「・・もう!キサ・・全然意識してないでしょ?」


「え、何を?」

「・・今日・・その、一緒なのに・・」



え・・?

いつも一緒にいるよね??

私が不思議そうに見ると、ヴィオがますます顔を赤くする。


やっぱり熱があるんじゃない?



「ヴィオ、ちょっと横になります?」

「よ、横!!??」


「え、休んだ方が・・」

「い、いや!!いい!!!」



でも、何か言うたびに君の顔は赤くなっているんで、心配なんだけど・・。でも寝たくないの??お昼寝、嫌がるような子じゃなかったんだけどなぁ・・。私が考え込んでいると、ヴィオは私をジトッと見て・・


「やっぱり分かってない・・」


って、言うけど・・。

な、何??ちゃんと言って下さい〜〜。



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― 新着の感想 ―
[一言] ヴィオ君もお泊まり意識してるんだねー( *´艸) かわいいねー♪o(゜∀゜o)(o゜∀゜)o♪
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