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極道に拾われた猫  作者: さとマロ
猫の秋もそれなりに大変
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その猫、鰹の味に感謝する

どもども! 昨晩プロレスで感動して大泣きしたサトマロです!

本日も暑くなりそうですね、皆さん暑さ対策はしっかりしましょう、水分をこまめに取るだけでも違いますよ

 「おいおい…」


 と、口から溢れる言葉が出された飯の全てを物語っていた。


 「なんやこのグズグズしたやつは」


 「これはドライフードをお湯でふやけさせた物ですわ」


 ふざけるな! こんなグズグズのどろどろの食えるか!

 と、叫んでやりたい所だが食ってみないと解らないのも事実…… まず俺は食っても危険がないか確認すべく、出された飯の匂いを嗅いだ。

 

 臭いはいたってシンプル、謎の臭いだ。


 しかし食い物の匂いもするのは事実、俺はグズグズドライフードを一口食べた。


 「うっ……」


 不味い…… 口に入れた瞬間バラバラに砕けるや否や染み込んだお湯が口の中を駆け巡る。

 お湯はドライフード独特の風味の形を残さずにただくさいだけの香りだった。

 

 「こんなもん食えるか!」


 そう叫ぶと俺は猫砂を便にかけるかのようなしぐさをしてやった。


 「気に入らなかったみたいっすね、舌が肥えてる猫には通用せえへんかぁ」


 「ワイでもこんなけったいな食い物食いとおないで」


 じゃあ出すんじゃねぇよ! と悲痛な叫びを訴えるが、こいつらは猫語を理解しようとしない、俺は魚屋に助けを求めることにした。


 「おう猫っ八! なんか食うか?」


 その言葉をどれ程望んだことだろうか…… 俺は元気よく


 なーご!


 と返事をする、今日はマグロか? アジか? どんな魚ですらうまく食えそうだ。

 

 「ほらよ!鰹の切れ端だ、この時期は鰹がうまいぞ」


 おお…… マグロ赤よりもすこし濃い赤だ、これは期待できる!


 「いただきます」


 一口食べると風味豊かな香りが口いっぱいに広がる、それは東京湾の厳しい荒波を生き抜いた不屈の精神力から来る風味とでも言うべきか。

ビタミン豊富なその肉は疲労回復にも一役買うことだろう。


 「ごちそうさまでした」


 「また来いよっ! 猫っ八!」


 満足だ、実に満足。

 さて、帰って昼寝でもするかな


 しかし家ではある計画が立てられていた……

鰹って低カロリーらしいじゃないですか、夕食にありかも……ニンニク醤油をたっぷり付けて一口で頬張る、たまりませんね!

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