その猫、マグロの旨味に感動する
どもども! サトマロです
今回はヒロイン登場の一歩手前までです
どうぞお楽しみください!
今回は俺のダチ公の話をしよう。
あれは旦那の家に来て1か月が経とうとしていたころ……
「組長!あいつ勝手にカチコミ入れやがりましたよ! ヤキ入れといた方が良いんとちゃいますか?」
この連中の言っていることはいまいちよく解らない、人間独自の言葉なのだろうか。
ふなーご
「おい、おい!」
窓越しに映る一匹の猫が俺に話しかける。
「お前新入りだろ? 何で家んなか閉じ籠ってるんだよ」
「別に? ただここの居心地が良いだけだ」
別に嘘はついていない、ここはそれなりに居心地が良い、何もしなくても飯は出てくる、温度も快適。
「かーっ! 可哀想なこった、家んなかばっかり居たら体がなまっちまうぜ、ネズミ一匹狩れねぇんじゃねぇか?」
こいつ言わせておけば!
「悔しかったらこっち来いよ! 良いとこ連れてってやる」
「よし、待ってろよ」
俺は換気途中の窓をくぐり抜け、約1か月ぶりの外に飛び出した。
「さあ、何処に連れて行ってくれるんだよ」
「ついてこいって、まずは腹ごしらえだ」
久しぶりの外だ、太陽がまぶしい……
「お前、名前は?」
「八と呼ばれている」
「そうか、俺はトラジ。この辺じゃ結構有名なワル猫なんだぜ」
トラジ…… 確かにそう呼ぶにふさわしい程の虎猫だった
「さあ着いたぞ」
ここは魚屋か?
ふなーご
「おう! トラジじゃねぇか! そっちのサバトラは新入りか?」
魚屋と言えば猫を嫌うイメージがあったのだが…… この店の主人は真逆の様だな。
「ほらよ、マグロのあらだ、食ってきな」
「ほら、食えよ八」
これがマグロ…… 都市伝説か何かと思っていたが実在したのか……
「いただきます」
一口食べた瞬間もう止まらない、トロリとした油が口いっぱいに広がり二口目を急ぎたくなる。
「ご馳走さまでした」
こんなうまい食い物が存在したとは…… 俺は猫だけど人生の半分も楽しめていなかったようだ……
「さて、それじゃあ今日のメインイベント、ミイちゃんを見に行くぞ」
ミイちゃん? 誰だそれは、メス猫の様だが……
何もメインイベントと言う程では無いだろう、たかがメス猫、一匹でトラジは何を考えているのだろうと考えていると目的地に着いたようだ
マグロってあらの方がお得だと思うんですよ
部位によっては中トロクラスの奴も入ってますし、うまく切れば刺身にできる部位もある
あ~寿司食べたい