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欠損少女とユメの国  作者: クズイ
1 ユメとの出会い
6/7

05 日本文化

「「はぁ~♪」」

長い間外に出ていたせいか、つい声がでしまう。特にユメなんて今日初めての風呂ということもあり顔がほころんでいる。ただ・・・・

「ちょっとぬるい・・・」

外に出ていた時間が長いこともあり、温度が大分下がってしまっていた。

「しょうがない、今から温度あげる魔法を使うからちょっと待っててね。」

とユメがいうと、先ほどみたいに別の世界の言語を唱え、周りが白く光り始める。

「そんな魔法まであるのか」

「まあね♪お風呂に関する魔法は色々覚えたっていったでしょ。()()()()()()()()()()()()。」

この世界にはことわざまであるのか・・・?

「もう少し待っててね。最後の調整がちょっと難し、く、て、ね・・・・。よし!どうよ丁度いいでしょ!」

フフン!と手を組みながら得意げな顔をしてこちらを見てくる。

「おぉ!すげぇ~あったけぇ。」

つい思ったことが口に出てしまい、それをみてユメも笑顔になる。魔法に対する反応が思ったより良かったのだろうか。


そういえば、先ほど話の途中だったことを思い出し続きを聞いてみる。

「そういえば、転生者だっけか?この世界ににいるのか?」

「そうだよ~。転移者と違ってそっちの世界で死んだ人間をこちらの世界で生まれ変わらせているんだ~。」

「・・・どうしてそんなことするんだ?」

別の世界の人間をこちらの世界に転生させることが出来たとしてわざわざやるものだろうか?

()()()()()()()()

とユメが答える。世界の発展?と不思議に思っていると

「ナツマぁ~?」

ユメは気の抜けた声を出して自分に問いかけてくる。まだ風呂に入った余韻が抜けていないようだ。

「もし、自分の世界を発展させようとしたらどうする?」

急にそんなこと言われてもパッと出てこない。こちとらただのサラリーマンだぞ。

「あぁ・・・。そうだな研究者たちにお金とか渡してなんか生み出してもらうのが一番なんじゃないか?」

どうにか今ある知識を絞り出しそれっぽいことを答える。

「もっと簡単な方法があるんだよ。」

とユメが答えを話し出してくれる。

「それは、()()()()()()()から知識をもらうこと。」

そういうことか合点がいった。

「なるほど、こちらの世界にない知識をもつ世界から人間を連れ出してそいつから教えてもらってるってことか。」

「正確には魂を搔っ攫ってこの世界で生き返らせることを条件に色々教えてもらってるらしいよ。」

「なるほどな・・・。ただ、いっちゃなんだが、魔法のないような世界の技術力じゃ物足りないんじゃないか?」

「そうでもないさ。魔法もないのに鉄が空を飛んだりすごいスピードで走ったりしてるって異常なことなんだよ。」

確かにこんな砂漠地帯を歩いて移動しているってことは車なんかはないのかもしれない。

「転生してくる人間が色んな知識を持っているわけではないんじゃないか?」

「いや、そっちの世界の出来事や歴史、見た目なんかからもこっちの世界の魔法に活かせるものが多々発見されているし、案外何かしら専門知識は持っているものなんだよ。」

そういうものか?と考えてみるが、確かに人間何かしら職に就いているものが多いし、その職についてはそこそこ知識があるものが多い。複数の人間を転生させればそれだけ専門的のことも手に入れられるだろう。

「転生者って結構いたりするのか?」

「どうだろうね~。正確な人数は分からないけど、賢者様の中には転生者が多いって聞くし結構いるんじゃないかな?」

賢者様かよ・・・。こちらの世界では転生者は結構優遇されているらしい・・・。と考えていると先ほどから思っていたことを思い出し聞いてみる。

「そういえば、俺たちの話が通じているのって・・・」

「そう、転生させるにあたって話せることが一番大切だからね。そちらの言葉をそのまま翻訳できるよう魔法がつくられたんだよ。」

「じゃあ、さっきのことわざを使ってたり、24時間制とかも」

「うん。そっちの国から得た知識だろうね。こちらの言葉や文化に合わせるよりそちらに合わせたほうが都合がいい場合は変えてきたんだろうね。」

「なるほどな…。そういえば、俺は日本の国から来たんだが、転生者にはいろんな国の人間がいるのか?」

ただでさえ、言葉のスケールが違いすぎるのにこっちの世界の1つ1つの国に合わせようものなら大変そうなもんだが、

「いや、転生者や転移者はすべて日本の人だよ。正確には日本に住んでいた人だけどね。」

「すべて?別の国の人間はいないのか?」

「うん。今から1つ1つ説明していくね、まずそっちの世界からこっちの世界に魂を通す際、通路(パス)と呼ばれるものを繋ぐんだけど、それが日本の国にしか繋げられなかったんだよね。」

「別の国にはつながらなかったってことか?」

「そう。日本にはいくつか通路の痕跡がって、それをこちら用の世界に変えればそのまま使えたんだけど、他の国にはその痕跡がなく、新規でつくろうにもうまくいかなかったってわけ。」

そういえば、日本には色んなオカルトな研究所や変な魔方陣を作っている人がいるってネットで見たことがあるが、まさかそういうのが影響してたってことか?

「なるほどな・・・。だから日本在住の人だけが、こちらの世界に転生してきているってわけか。」

「そういうこと♪」

と話が一区切りつく。



色々思うことがあり、考え込んでいると徹夜続きの疲れや長風呂の状態も合わさり眠くなってくる。それを見かねたユメが



「ごめんね。少し話し込んじゃったね。今から寝床の準備するからちょっと待っててね。」

といいユメが風呂から上がっていく。

「いや、俺も手伝うよ。任せきりっていうのも悪いし・・・」

「気にしないでよ♪ある程度は魔法で準備できるし運ぶのも神器があればすぐだしね」

「そうか・・・」

いつもなら年下の女の子に任せっきりっていうのは抵抗があるが、疲れが限界にきていたこともあり、お願いすることにした。


ユメがでていったあと、自分も先ほどもらったバスタオルで体をふき、着替えてテントのに向かうと準備を終えてフンス!と胸をはったユメに感謝を告げて気絶するかのように眠りにつくのであった。




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