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おじいさんの町。

作者: 七瀬

ここは小さな離れ小島で、船でしか来れない場所にあるんだよ。

しかも...? おじいさんしか住んでいない。

だからまたの名を 『おじいちゃん島』 とも言うんだって!

人口100人ほどいるんだけど...? 僕以外はみんなおじいさん。


僕は唯一の子供だ! 若い男性も女性も老婆も子供もここには居ない。

何故か? ここでは住めないようになったんだって~

僕のおじいちゃんが言ってた。

僕のおじいちゃんはこの島の 『会長』 なんだよ~

何かあればみんな僕の家に集まって、いやいや? 毎日集まって

どんちゃん騒ぎをしているよ。


食料やお酒は週に一回船で運ばれてくる。料理もおじいちゃんが

チャチャっと作っちゃうんだよ~ 『男飯』 ってやつだね!

見た目は、ちょっとって思うけど?  味は最高に美味しいんだ!


僕はこの島で唯一の子供だからどのおじいちゃんにも可愛がられて

いるんだ。でも1人だけ僕に近づかないおじいさんがいるよ。


頑固じじいで有名な 『とびじいさん』

僕も、とびじいさんとは自分から進んで話さないな。


なにしろ毎日楽しいよ。僕は学校に通ってないけど......?

そこはおじいちゃんが僕に勉強を教えてくれる。

その前に、おじいちゃんの口癖があるんだよ。


『世の中には、学校で教えてくれん事があるだでぇ~ 勉強だけが全て

やないんだでぇ~』

『うん。わかったよ! おじいちゃん。』


そして、僕がずっとずっと思ってた事をおじいちゃんに聞いてみた?


『何故? 僕だけここに居れるの? 男性も女性も子供もおばちゃんも

みんなここに居ないのに......。』

『それは前にも言うたやろ~何故か? ここでは住めないようになっとるでぇ~』

『その理由を聞きたいんだよ!』

『まだ、お前さんは子供だでぇ~知らんでいいだぁ~!』

『僕は立派な大人の島の男だ!』

『おーーう? そんな事を言うようになったでぇ~』

『......』

『仕方がない、そこまで言うなら~ ちゃんと話さないけねぇだでぇな~』

『ここは女性も男性も老婆も子供もそうだでぇ~じじい以外は体によくない

モノが森から出てるらしい。でもお前さんは特別だったらしいだでぇ~ここに

残しただぁ~』

『森からよくないモノって何?』

『それは、なんちゃらかんちゃら研究開発なんちゃらがきて、長いこと調べ取った

が結局、何が原因かわからなかったでぇ~帰ってもうーた!』

『おじいちゃんは何が原因だと思う?』

『俺は森の妖精さんが怒ってもうたんじゃ~なかろうかと思っとるでぇ~』

『そうなんだ』

『頑固じじいのとびじいなら、なんか知っとるかも知れんでぇ~』

『なんで? とびじいさんが知ってるの?』

『昔1人で森に入った時に、見たんだと森の妖精の集会とからしいでぇ~

でも見てるのがバレてもうたでぇ~あんな頑固じじいになったんだでぇ~』

『昔から頑固じじいじゃないんだ!』

『いや~とんでもねぇ~島1番のお調子者だったんだでぇ~陽気なじじいやった

だでぇ~』

『そうだったんだ。』


僕はあの頑固じじいのとびじいさんが苦手だったけど、この話を聞いて少し好きに

なった。しかし、森で何が起きてるんだろう? 僕は自分の眼で確かめたくなった

明日森に行こう。妖精さんにも会いたいしなぁ~とそんな事を思っていた。


◇◆◇



次の日の朝早く僕は森に1人で行った。

そこには頑固じじいのとびじいさんもいた。

そうすると...? 森の中で 【妖精の集会】 を開いてる最中だった。当然僕が

見てる事はバレてしまったけど...? 僕が子供だった事で1人の妖精さんが僕に

近づいてきて......。


『あら? 珍しいキミは“子供”だね! こっちにおいで~何もしや~しないよ

ほらおいでよ~』

『う.うん こんなに朝早くにみんなで何をしているの?』

『森をどうしたら? 守れるかみんなで会議していたんだよ!』

『僕ね聞いたんだけど? 森で人間の体によくないモノが出てるらしいって!』

『この小僧! 何を言ってるんだ~! そんな訳がないだろう~』

『でもおじいちゃんがそうやって......』

『まぁ、とびじいやめんか!』

『長老!』

『妖精さんの長老さん?』

『まぁ~そうじゃ!』

『どういう事なの?』

『ワザとそう言ったんだろう 他の人間は別の場所にいるんじゃよ~ここは

人が住むには大変な場所だからのう~』

『出て行った?』

『きっと、お前さんの他の家族もそうだろうのう~』

『えぇ!? おじいちゃんは僕を天からの贈りものだって言ってたよ~』

『ぷぷぷ あのじいーさんそんなメルヘンチックな事を言ったのか?』

『えぇ!? 違うんだ?』

『あぁ~違う ちゃんとお前さんの家族は何処かにいるよ! ただ今は会えない

だけなんだろうなぁ~話すべき時が来たら、あのじいーさんも話すだろうに~』

『長老は僕のおじいちゃんの事知ってるの?』

『友達じゃよ~ 昔からの【戦友】じゃ~』

『そうなんだ!』

『この森を一緒に守ってくれてるんじゃよ~』

『だからか? 人がここに来ないのは......』

『そうじゃ~』

『じゃ~おじいちゃんが守ろうと思ってる森を僕も守る!』

『ホントか! それは嬉しい!』

『また来てもいい?』

『何時でもおいで~ お前さんも今日から仲間じゃ~』

『ありがとう』

『またね!』

『またじゃなぁ~』


僕はその日から、森のパトロールと森の友達に会いに行くようになりました。

妖精さんの集会にも参加したり、頑固じじいのとびじーさんとも随分仲良くなり

ました。僕のおじいちゃんにその事を話すと凄く喜んでいました。

そして僕のおじいちゃんの一言。


『ワシらはな~森と一緒に成長してきたでぇ~森を大切に守っていかなアカンだ

でぇ~何時までもいつまでも、大切な【戦友(妖精の長老)】との約束だでぇ~

ワシは絶対に生きてる間は、あの森を守るだでぇ~な!』


『それと、ワシの後はお前さんがこの森を守ってやってだでぇ~』


...と付け加えた。僕もこの森を、妖精さんたちの森を守りたい!

僕にとっても大切な 『友達』 だから。


おしまい。



















最後までお読みいただきありがとうございました。

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