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第54話 決着


「ヒール!」

 ゲルベックはすぐにアルバートに切られた左手を回復魔法で修復した。


「ん?」

 目の前に二つの影が飛び出てくる。

 ファルゼンとルージュがゲルベックの前に居たのだ。


「ちいぃ!」

 ゲルベックは両手で二人を押さえ込もうとするが、ルージュに右腕を剣で、ファルゼンの右腕に形成された聖術の防御壁で左腕を押さえ込まれてしまう。そしてファルゼンは空いている左手に聖法で形成した光りの剣を力いっぱいゲルベックの腹に突き立てた。


「グンヌ!」

 ゲルベックの腹に見事にめり込むファルゼンの手の回りから血がにじみ出る。ゲルベックの血だ。


「フン!」


「な…」

 ゲルベックは腹に力を入れて、ヒールで瞬間回復をして無理矢理ファルゼンの左手を押しのける。


パスン!

 とゲルベックの額に矢が刺さる。リリヤの援護だ。そしてカインがリリヤが放った矢にゲルベックと同じ魔法弾を当て、更に奥へと突き刺す。


 しかし、すぐにヒールで回復させて額の矢を押し出す。


 ゲルベックの背後に回っていたアルバートはゲルベックの背中を切りつけるが、ゲルベックは既に背面に防御魔法を形成し、一撃でゲルベックに剣を当てる事はできない。


 ルージュは小刻みに剣を動かしゲルベックの右腕をバラバラにしている作業に入っていたが、ゲルベックの回復の方が早く、ファルゼンと共にゲルベックの魔法で出した衝撃波により吹き飛ぶ。


 アルバートは突きで攻撃し、ゲルベックをファルゼンとルージュが吹き飛ばされた方向と同じ場所へと押し飛ばす。


「ちぃ!」

 片膝を着いたゲルベックは、後ろに居たアルバートに向って火炎魔法を放つ。炎であるならばエネルギーのみとは違い切ってもアルバートの体に当たるだろうと考えたが、ゲルベックの予想を裏切り、アルバートは気の塊で全面を防御していた。


「『サンダーピラー』!」

 カインはゲルベックを包み込む程大きい雷の柱を作り、ゲルベックをその中へ入れる。常人であるならば丸こげになるが、術が止んだ後に出てきたゲルベックはバチバチと体中に電気を走らせた状態で、出てきた。


「そんな…」

 ゲルベックはカインに向け魔力を当てる。


「うぐぅ!」

 カインは吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。

 ゲルベックは攻撃に出て、聖術で形成した矢で撃ちまくってくるリリヤを攻撃しようとしたが、形成した魔法陣をガルゼニスの魔法『アブソーブゲート』で打ち消されてしまった。


「『レインボーテイル』」

 ファルゼンはゲルベックの足元に向って術を放ったが、あっさりと避けられてしまい高速でファルゼンの真後ろに立たれてしまった。


「くぅ…」

 ファルゼンは後ろを振り向こうとした瞬間、ゲルベックの顔が歪んだ。ルージュがゲルベックの顔面に自身の剣をめり込ませたのだ。同時に顔面にかけていた防御魔法が破壊された。


「ンブフゥ…」

 ゲルベックはよろけて頬に手を当てる。


「うりゃぁ!」

 リリヤがゲルベックの横から目を狙って弓を射る。


パシーン!


「グワァアアア!」

 矢がゲルベックの両目に当たりゲルベックは失明してしまった。

 ゲルベックは目を回復させている為に全方位に防御魔法を展開し、様々な魔法を放ってくる。


 地面が盛り上がり複数の刺が出てくる。


 火の弾が空から降ってくる。


 氷の矢がゲルベックの回りから放たれる。


 いきなり何もないところから魔法陣が現われいきなり爆発する。


 電撃が地を走り自分達の方へ向かってくる。


 防御魔法陣から魔法弾が放たれる。


 風が渦となり、空から降り注ぐ炎を吸収し、火の渦となって襲いかかる。


 闇属性の黒い霧が広がらず一直線に向かってくる。




 だが、所詮は当てずっぽう。アルバート達に当たるはずも無く、全員は次々にゲルベックに攻撃を当てる。ファルゼンとリリヤは執拗にゲルベックの目を攻め、回復を妨げる。

 ゲルベックが防御魔法を何重にかけようとも、アルバート、ルージュ、ガルゼニスが剣圧、魔法で素早く砕く。普通よりも容易く砕けるのはカインが全員に強化魔法をかけ続けているからだ。全員に強化魔法をかけながらもカインは魔法で攻撃を続けている。


「これでは膠着状態がいつまでも続くだけですね…」

 ファルゼンがそう言うと、


「僕達の方が明らかに早く魔力、聖力切れをおこしちゃう…」

 カインが苦痛を顔に表しながらそう言うと、


「なら、もっと力を上げる!」

 アルバートはそう言うと、自身の気を更に高める。


「う…ぐ…」

 頭がグラグラする。自身の気に当てられ意識が保てなくなってしまっているのだろうか…。どっちにしろこんなに気を発したのは今日が初めてのアルバートにとっては、自分の限界がわからない。


「うりゃぁ!」

 アルバートは足に気の力を入れて走った。ルージュと同等の速さであった。


ボコーン!


 アルバートの剣はゲルベックの腹にめり込むが、切れてはいない。ゲルベックはとっさに超硬質の防御魔法を腹にかけたのだ。


「霊龍切!」

 再度アルバートは技を使ってゲルベックを追い詰める。


「まだだ、こんな所で…まだ負ける訳にはいかんのだぁぁぁぁぁ!」

 ゲルベックがそう叫ぶと、


「死ねぇぇぇぇえええ!」

 と、リリヤが今までに無い程の膨大な量の聖力を押し込めた矢を放ち、ゲルベックの横っ腹に風穴を開ける。


「グ…」


 ゲルベックが苦痛の表情になる。更に攻撃は止む事は無く、


「レイスレインライト!」

 ファルゼンはゲルベックの左腕を光りのロープで締めあげ、アルバートの剣の防御ができないように引っ張る。


「ぬぅぅうううう…」

 それでもまだ拮抗状態であるアルバートとゲルベックにルージュが動いた。


「やぁあああああ!『ライン』」

 超高速で降りおろされたルージュの剣はアルバートの剣に当たり、アルバートの剣を更に押し込めるような形をとる。


「ふんぬ!?」

 ずっしりときた重みに驚くゲルベックだが、まだ耐える事が出来た。


「『暗黒装飾!重槍撃じゅうそうげき』」

 ガルゼニスは闇の魔力で重量を上げた槍を振り下ろし更にルージュの剣に当て威力を高める。


「うぐぐぐぐぐ!」

 ゲルベックが押されだした。

 更にアルバートの気の力により防御魔法が剥がされていく。

 リリヤはしつこくゲルベックの背中に矢を当て続ける。


「う…そんな…。馬鹿なぁぁあああああ!」

 ゲルベックがそう言った途端、防御魔法が破壊された。


 その瞬間をアルバートは見逃さず、向かっていった。

「行けぇ!!アルバートォォォォオオオオオ!!」

 ルージュはそう叫んでアルバートに最後を託す。


「これで終わりだぁあああああああ!!!!」

 アルバートは気力を全身に行き渡し、速度、腕力を上げていく。


「ふざけるなぁあああああああ!!!」

 ゲルベックはそう叫んだ後…、


グシャッ。


 アルバートの剣により横真っ二つになってしまった。


ドシャッ!


 二つになったゲルベックは地面へ倒れ込んだ。


バキャン!


 同時にアルバートの剣も二つに折れてしまった。



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