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第1話 ポノノ村から

予定より少し早いですが、投稿していきます。


※前作『世界戦史の中で~異星転生~』と同じ『世界戦史の中で』シリーズの一作となりますが、前作主人公『前田 竜生』など主人公とその仲間達は出てきません。

 この星の知的生命体は大きく分けて三種居る。そしてこの星の勢力は三つの大国が大半を占めている。


人類族の『ルグニア王国』。

エルフ族の『エルフ国』。

魔族の『魔界国』。

 これらの大国が中心となり平和を保っていた。

 ちなみに、表現方法として、人類族=人間と言われるが、実生活で使用されるエルフ族や魔族、人類族をまとめて表現すると『人間』になる。


 周辺の小国も合せここ十年は国家同士の戦争を行なっていない星だ。

 更に魔法、聖法、気の力などが混在し、その力を人々は有効活用する世界でもある。



 そして、この星には不思議な噂や言い伝えがある。


「我々は天から舞い降りた種族」

「古代人は我々よりもずっと文明が進んでいた」


 などである。


 実際古代遺跡は各所に点在するが、噂ではその中の構造は現代の人間にとっては理解しがたいものばかりらしい。

 各国の政府は高度な古代文明の存在を否定しているが、古代人の文明を見てみると、電気と発電という知識があったようで、各国政府はそれを取り入れエネルギーとした。

 そんな発見があったのにもかかわらず、政府は今だ超古代文明を認めない。

 実際遺跡から見つかったものは現代でも作れるようなガラクタばかりだった事が政府の言い分に信用度を与えていた。

 しかし、一部の民間の学者は政府の見解を認めず、一部の民間の学者と政府お抱えの学者は日々論争を繰り返していた。



 一方、一般市民はそのような事は特に気にもとめず生活をしていた。



----------------------------------------------



~ルグニア王国ポノノ村~


 広大な国土を保有する三大国の一国、『ルグニア王国』。

 人間が治める国の中で一番大きく、そして一番歴史が古い国だ。


 その国内の村『ポノノ村』で二人の少年、剣士と魔法使いが己の技を磨くため訓練をしていた。


「カイン。力いっぱい防御魔法を展開してくれ!」

「えぇぇ…危険だよアルバート!」

「大丈夫、お前はその岩の前に魔法を展開すればいいだけだ。俺はその岩ごとぶった切ってみせる!」

 茶色い髪に赤いバンダナを巻いた少年剣士の名は『アルバート・クローゼ』。ルグニア王国親衛隊隊長の息子である。

 もう一人の気が弱そうな青い髪の少年は『カイン・アルゼリン』。ルグニア王国魔法省副大臣の息子だ。

「ど、どうなっても知らないからね…『エレシール!!』」

 人の丈程ある岩の全面にバチバチと音が鳴る電気の盾が出てくる。

「ふん。相変わらずの電気属性か…。うりゃよ!」

 アルバートは電気の盾に守られている岩に向け全力で剣を振るった。




 ズドン!

 と、重い音が鳴り響く。


「!!この音は…?」

 自宅で本を読んでいた長い白髪の少女が音の鳴った方向を向く。

「チッ。あの馬鹿、また…」

 今度は白髪の少女の目の前に座っていたショートの金髪の少女が、音の鳴った方向を向き舌打ちをしてそう言った。

「ネネ。様子を見てくるから待っていてくれ」

「分かった。ルージュも気を付けてね」

 白髪の少女『ネネ』に見送られ、ルグニア王国第一師団団長の娘『ルージュ・ダーウィン』は剣を取って音のした方へ向かった。





「やっぱりお前達か」

「んお!?なんだ、ルージュかぁ~。なんのようだ?」

「なんの用だ?ではないだろう。あんな馬鹿でかい音をさせて…」

 ルージュはズカズカとアルバートの近くへ行き、説教をはじめようとする。


 余談だが、アルバート、カイン、ルージュのそれぞれ父親は王都で働いている。

 だが、子供たちや妻がなぜこのような田舎に住んでいるかというと、父親達はこの村の出身で、毎日のようにこの村へ帰ってくることができる。

 貴重で高価な魔道転送装置で、村の決まった転送場所へ帰ってくる事が可能となっている。

 三人の父はそれぞれ王都へ小規模な邸宅を保有しているか寮を与えられているが、あまり活用していないようだ。

 まぁ、アルバートの父親は親衛隊隊長という役職柄そうしょっちゅう帰ってくることはできないようだが…。



「いつものことだろ?村の連中も慣れっこさ」

 アルバートはルージュの注意を軽く流した。

「毎日毎日あんな馬鹿でかい音をさせていたら迷惑に決まっているだろう!すぐ近くに住んでいる80を超えたゼベック爺さんがコロっと逝ってしまったらどうする?」

「あぁ?ゼベック爺さんだぁ?あのジジィがそう簡単に死ぬかよ」

「いいや、死ぬね。あんな動くのも辛そうなお年寄り」

「そりゃ女の前だけだ。あのエロジジイ若い女に世話をしてもらうのが大好きなんだ。俺この前見たもんね。川魚を素手で捕まえているところ」

「ゼベックさんがそんな事できるわけないだろう。杖を使ってやっと歩ける位のヨボヨボなんだぞ?生まれたての小馬状態だ。もうすぐ死ぬに決まっているんだ!」

「だーかーらぁ、騙されてるんだって!あのジジィは昔からケガを大げさに表現する事がうまいんだよ」

「ふん。棺桶に片足突っ込んでいるような人の悪口をよくそこまで言えるものだな」

「はっ。あのエロジジイの肩入れするなんて。ジジイのカビ菌でも移ったか?」

「あの…二人ともあんまりゼベックさんの悪口を言わないほうが…」

「「あぁ!?」」

「ひぃ。ごめんなさい!」

 二人の老人を貶しているやり取りを見かねたカインが止めに入るが、威嚇されすぐに何も言えなくなってしまう。


「とにかく。ゼベックさんに限らず迷惑をしている人は多い。今日という今日は…」

「なんだ?やるのか?」


「(も、もう嫌だ…)」

 カインはその横でソロソロとこの場を抜け出そうとする。


「どこに行こうってんだ?カイン。まさかこの女にビビッたわけじゃぁないよな?」

 それに気づいたアルバートはカインに問いかけた。

「カイン。一応私は君にも怒っているんだがな…」

 ルージュもそれに続きカインに声を掛ける。

「いや、そろそろお昼だし、帰ろうかな…と」

「何をふざけたことを…あ、こら待て!」

 ルージュが言い終わる前にカインはその場を逃げ去った。


「ひぃぃぃぃいいいい」

 どこからか声が聞こえる。おそらくいつも通りカインの悲鳴だろう。だんだんと近づいてくる。

「カインはこっちに来るのかな?」

 先ほどルージュと一緒に居た白髪の女の子『ネネ・パッツェ』は耳をすませ、窓を開け、カインが来る方向をのぞく。カインはネネの家へ真っ直ぐ走ってくる。

 ネネは村長の娘であり、ネネの家はかなり大きかった。

「あ、ネネ!」

 窓から顔を出しているネネの存在に気付き、カインは走る速度を緩める。

「追いついたぞ、カイン!てめぇ…」

「さぁ、説教の続きだ」

 アルバートとルージュがカインのすぐ後ろに居た。後ろを振り返ったカインの顔は青くなる。

「クスクス。ねぇ、カイン、アルバート、二人共私の家でお茶でも飲んでいかない?もちろんルージュもね」

 と、ネネがカインに助け舟を出す。

「い、いいのかい?じゃぁお邪魔しようかなぁ~」

 カインは家の中に入ろうとするが、アルバートとルージュがカインの両肩を掴み身動きが取れなかった。

「アルバート。君にはキツイお仕置きが必要だな。剣を抜け、今すぐその腐った精神を叩き斬ってやる」

「叩き直すんじゃなくて叩き切るの!?」

 カインはルージュの発言に驚くが喧嘩を再開した当人達は全く意に返さず、

「ほ~お。一対一の剣で俺に勝てるのか?」

「勿論そのつもりだが?」

 と、ピリピリとした空気を辺りに漂わせる。

 このまま二人が暴れればいつもの事だが大騒ぎになる。それだけの実力がアルバートとルージュにはあるのだ。


「ふぅ」

 それを見たネネが呆れた表情をして、


「お茶、しましょう?」


 と一言アルバートとルージュに向け言った。


「「「!?」」」


 二人…いや、カインも含め三人は背筋が凍る感覚になった。自分たちを見つめるネネは妖艶でるが目に光りがなく、背景全てが黒く染まっていくような感覚になる。


「「「はい…」」」


 三人はおとなしくネネのお茶をいただくことにした。



昔書いた小説を改めて見直してみると、修正するところが沢山ありすぎて大変でした。


もう最初から書いたほうが早いんじゃないかと思った位です。

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