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第27話 傀儡(強)との戦闘


「おいおい、やるじゃねぇか!やっぱ、一対一だと強いよなぁ、クローゼ流は!」

 そう言った後、アルバートの強さに押され気味のバルケットは聖術を使用した。


「『光球・サンシャインフラッシュ』!!」


 バルケットが呪文を唱えると剣から強い光が一瞬輝き、アルバートの目をくらませる。

「うわ!」


 アルバートは一瞬目を瞑ってしまい。一瞬隙が生まれてしまった。

 自分に向けバルケットの剣が仕留めに来る。そう判断したアルバートはすぐに後ろへ下がり剣を構えようとした。


 が、間に合わず。


「ぐあぁああ!」


 アルバートは左目を切られてしまった。


「やっぱやるなぁ。体をバッサリとやるつもりだったんだが…」

 驚いたようにバルケットは呟く。


「「アルバートォオ」」


 カインとルージュは驚き叫ぶ。そしてルージュにも隙ができ、キャリーが放った気の弾で吹き飛ばされてしまう。


「ぐおぉ!クローゼ流剣撃奥義、『龍炎息』」


 アルバートは気の摩擦で炎をおこし、剣に纏わせバルケットに向って放った。


「うっひょぉ!?ひぇええ!?」

 バルケットは防御の構えをしたが、吹き飛んでしまう。


「おいおい…マジかよ」

 これにはキャリーも驚きバルケットの方を見てしまう。


「剣舞、『ラインブレイク』」

 その隙にルージュは一瞬でキャリーの胴に切り込む。


「う…ぐ。痛いなぁ!」

 キャリーは苦痛で顔を歪ませたが、それほどダメージは無いようだ。


「くぅうう。聖術で防御していなかったらどうなっていたか…」

 いつの間にかキャリーの近くまで来ていたバルケットはそうつぶやく。


「うぅ~、ありがとさん」

 キャリーは口をへの字にさせそう言った。


「とりあえず。早く本隊と合流しよう」

 バルケットがそう言うと、


「ちぃ。そうね…早くしないと作戦に支障がでるかも、だし…。後は任せたぞ!」

 キャリーはそう言うと、バルケットと一緒に外へと駆け出した。


「逃がすか!」

 ガルゼニスは腰に下げていた短剣を抜き二人の方向へ投げたが、


ガシュ!


 刺さったのはバルケットとキャリーの二人を庇った傀儡の腕であった。しかし、明らかに今まで戦っていた傀儡とは違う。武器や防具は一級品であり、更に指など細かい所が精巧に作られているようであった。


「ここに来ていろんな種類の傀儡と戦う事になったなぁ。だが、傀儡は傀儡だぁああ!」

 アルバートは素早く傀儡(強)に切りかかるが、


ガキン!


 傀儡(強)が振った剣により止められてしまった。


「な!」

 驚いたアルバートはすぐに後ろへ下がり体制を整える。


「私も共に戦おう」

 と、ガルゼニスはアルバートの隣に来て槍を構えた。


「くぅ。本当なら助っ人はいらないが、奴らを速く追いかけるためだ。さっさと倒しちまうぞ!」

「承知した」

 アルバートはそう言うと、ガルゼニスと共に傀儡(強)と戦う事になった。

 アルバートとガルゼニスが切りかかると、傀儡(強)は掌をこちらに見せる。


「あ?」

 アルバートが気付くくよりも先にガルゼニスはアルバートより前にでて、アルバートと自分の前で槍を高速回転させる。すると、傀儡(強)の掌から魔法弾が放たれる。それをガルゼニスは高速回転させた槍に魔力で生成した盾を作り出しガードする。


「傀儡が魔法を使った!?」

 アルバートが驚くが、


「来た!」

 ガルゼニスは槍を構え向かってきた傀儡(強)に突きをする。

 それを傀儡(強)は軽々と飛び上がって避けるが、

「空中じゃ避けられまい」

 と、ガルゼニスは空中に居る傀儡(強)に槍を向け固めて鋭くなった魔力を飛ばす。

 しかし、傀儡(強)は剣でそれを軽々と弾き飛ばしてしまう。そして傀儡(強)は足に魔力を纏わせ小規模爆破を行なった。それが反動となり軌道を変える。


 だが、傀儡(強)の進行方向にはアルバートが剣を構えている。


「おらよ!」


 アルバートは剣を振ったが、傀儡(強)の剣により再び攻撃が防がれてしまう。傀儡(強)の剣からは防御魔法も展開されており、剣自体にも攻撃が届いていない。


 ガルゼニスはすぐに自身の攻撃範囲まで傀儡(強)に近寄り切りかかるが、


バシッ、バシッ!


 と、傀儡(強)は地面を二回蹴る。


「「な!?」」


 傀儡(強)の回りに強風が起こり、二人は吹き飛ばされる。


「しまった!」


 ガルゼニスは焦った。吹き飛ばされたガルゼニスが着地しようとする場所が光ったのだ。先ほど傀儡(強)が地面を二回蹴った内二回目はこの魔法の為だったのだろう。何が起こるかはわからないが決して無事では済まないはずだ。


「うりゃぁああ!ふんぬ!」


 するとアルバートが地面に剣を突き刺し、力を込める。


「な?」

 ガルゼニスが着地した場所は光りを急激に弱まり、魔力の反応も無くなる。


「地面に張った魔術線を気で破壊するなんて…」

 ガルゼニスはアルバートが行なった行為に驚く。おそらく剣を伝地面に張った罠の魔法を、気を流して切ったのだ。力ずくのような技だが、かなりの精密さが要求される攻撃だ。


「へへ。さっきのお礼だ、王子」

 アルバートが微笑みそう言うと、ガルゼニスもニコリと笑って返す。


「他の連中も傀儡(大)をかまっていて忙しそうだし、ちょっと連携攻撃してみるかぁ~」

 アルバートがそう提案すると、

「わかった。じゃぁ、ちょっと」

 ガルゼニスとアルバートは傀儡(強)と距離を置き、ガルゼニスは簡単に攻撃手順をアルバートに説明した。


「とりあえずそれをやれば王子が止めをさすんだな」

 アルバートはそう言い、剣を構える。


「あぁ。任せてくれ」

 ガルゼニスがそう言ったのを合図に、二人は攻撃を仕掛けた。

 アルバートは飛び上がると、ガルゼニスがアルバートの着地面に槍を伸ばす。それに乗ったアルバートをガルゼニスは力いっぱい傀儡(強)に向け投げ飛ばす。

 アルバートは剣に気を込め切りかかった。

 それに対し傀儡(強)は剣を盾にし、更にその剣に防御魔法を展開させアルバートの攻撃を防ぐ。


「そこだ!」

 ガルゼニスはアルバートが勢いに乗って傀儡(強)の横を通り越したのを確認し、槍の先に魔力の渦を作り、突きをくらわす。

 傀儡(強)はそれに剣に展開していた防御魔法で防ごうとしたが、ガルゼニスの攻撃は傀儡(強)の張った防御魔法を削り取り、更に剣まで折、傀儡(強)の体に穴を開けた。


 ゆっくりと後ろへ倒れる傀儡(強)の魔力が消えた事を確認し、ガルゼニスとアルバートはまだ片付いていない傀儡(大)の処理をする。


 この時には傀儡の残存数は既に少なく、全滅させるのに時間はかからなかった。









  一行はバルケットとキャリーを追いかけ洞窟を出た時には既に逃げられてしまっていた。


「王子、申し訳ありません…。傀儡達の妨害が激しく、出てきた人間を捕まえる事はできませんでした」

 アランは頭を下げる。


「いや、よい。私も逃がしてしまった身だ。私がとやかく言えはしないよ…」

 ガルゼニスはそう言うと、アランが更に重い口調で、


「もう一つ悪い報告があります…」

「なんだ?」


「我々の救出に向かってきていたアネリー大佐の部隊が傀儡の大群と交戦。勝利はしましたが被害が大きく、迎えの部隊を再編成するまでルグニア王国に保護してもらうようにとの国王陛下より命令がありました」

「な!?アネリー大佐の部隊が??と言うかなぜヴァトラックの町ではなくルグニア王国なのだ?それよりアネリーは無事なのか?」

 ガルゼニスは一度にいろいろな事に驚き質問をし続ける。


「父、アネリー大佐は誘拐されてしまいました。ルグニア王国へ行くのは、魔界国の裏切り者を洗い出してから王子を迎えた方が安全だとの事です」

 アランからおかしな言葉が出てきた。


「ちょっと待て、魔界国の裏切り者とはどういうことだ?」

 なぜ突然魔界国に裏切り者がいることが前提で話がされているのだろうか。そもそもルグニア王国軍にも裏切り者がいる状態で、ルグニア王国へ行くのもおかしな話だ。


「アネリー大佐を襲った傀儡部隊の中に魔界国の正規軍や私と同じ親衛隊が混ざっていたそうです…」

 重い口調でそう説明するアラン。自国の軍に裏切り者が居た事もだが、父が誘拐された事がショックだったのだろう。

 そして問題なのは、魔界国親衛隊の中に裏切り者がいたという事実だ。流石に王宮警備を任されている親衛隊が居る中に王族がいることは危険だ。魔界国の王、魔王はそう考えてルグニアにガルゼニスの保護を要請したのだろう。


「…。わかった。父上の判断に従おう…」

 ガルゼニスと十人程の魔界国軍はルグニア王国に向かうことになった。





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