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第21話 古代文明の謎



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「私の故郷の村が大規模な傀儡兵部隊に襲われた!?馬鹿な…強力な魔法使いは居ないはずだ!」

 ゲルベックは捜索会議中に入った緊急速報に驚き声を上げた。


「たまたま"ダイン洞窟"に行く予定だった部隊の先遣隊が道を間違え、エンキュー村に着いたらしい。おそらくその部隊に居た魔法使いが狙われたのだろう。たまたま通りかかった戦士達の活躍や、すぐ近くに居た本隊と合流できたため被害外は少なかったらしいが…」

 ロージ将軍は歯ぎしりをしながら言った。


「傀儡捜索予定の洞窟地帯か…。誘拐犯は傀儡を使い、魔術師を狙ってくるという事は既に確定だろう。それで部隊の魔術師に引かれたか…」

 ペテロン元老院議長は険しい顔をしそう言うと、


「文部省。今回の事件は古代技術を多く使っている。ここに居る者だけでも説明したほうがいいのではないかな?」

 ペテロン元老院議長の言葉にアンドレイ文部大臣は、

「はぁ」

 と、ため息を吐き、

「わかりました。ここに居る者にはもしもの時の為にこの事実を教えても問題ない人物を選んでありますし…。よろしいですかな?国王陛下」

 と、言った。


「構わない。話してくれ」

 ルグニア国王がそう言うと、アンドレイ文部大臣に付き添っていた文部副大臣のリスアンは、


「では、私から説明致しましょう」

 と、立ち上がり、


「知っている方も薄々気がついている方もいらっしゃるかもしれませんが、この国…いえこの星はかつて現在では考えられないほど魔法や聖法、科学技術が進んでいました」

 一般人ならこの時点で驚いているが、ここに居る者は皆その事実を薄々感じていた者達ばかりであったため(実際国民のほとんどはその噂を耳にしている)それほど驚いては居なかったが、リスアンがその先を話し出すとその場の空気が一気に変わった。


「この世界で一番布教している宗教『ピザ教』にもその伝説が残っていますが、私達はいくつもの巨大な船に乗ってこの星へとたどり着きました。そしてその直後文明が崩壊、再構築し現在に至ります。以前の世界では簡単に空中や宇宙を飛び回っていました」


「な…!」

「そんな…馬鹿な…」

「巨大な船が空を飛ぶ!?」

 ここで多くの者が既に話についていけない様子であったが、


「我々の先祖は今回の事件であったような像を、日常生活から戦争まで幅広く使用していたと思われます。この国のまだ発見されていない遺跡にはそのような像や人形がまだ沢山あるでしょう…」


 話を聞き終わった部屋の人間はどう言葉を出していいかわからなかったが、ルグニア王国で一番有名な騎士、金髪の戦士第1師団団長『カザル・ダーウィン』が、

「疑問があります。よろしいですか?」

 と手を挙げる。

 なぜ18ある師団長の一人がこの場に出席しているのか…。それは第1師団という師団はこの国で一番優秀な師団であり、他の師団のリーダー的な立場であったからだ。

 つまり、第1師団長カザル・ダーウィンは18師団の中でトップの存在なのだ。


「なんでしょうかダーウィンさん?」

 と、リスアンがカザルに顔を向けると、


「なぜ古代文明は滅んでしまったのですか?それになぜその事を我々は隠さなくてはならないのですか?」

「それは…」

 カザルの質問にリスアンが答え辛そうに顔を反らせた。


「…それはワシが答えよう」

 と、国王自ら説明を始めようとする。


「へ、陛下!?」

 リスアンは驚いたが、


「よい。ここにいる者だけでも知っておくべきだ。かつては国の上層部は全員この事実は知っていたはずだ。それを…いつの時代かはわからぬが、この情報を悪用しようとする輩が出たため、上層部でも限られた人間にしか明かされてこなかった。ワシはここにいる者は全員そのようなことをする者ではないと信じておるのだよ…」

「…かしこまりました。陛下…」

 国王にそこまで言われた為、何も言えなくなったリスアンは渋々下がる。


「さて、なぜ古代文明が滅んだか。その答えは『戦争』だ。我々の先祖は戦争を行なった結果この星全体の文明を崩壊させたと考えられる」


「な…一体どこの国と!?まさか古代から存在していたエルフ国や魔界国ですか?」

 ザインがそう言うと、


「いや、少なくともこの星の人間同士で戦って文明が滅びたわけではない。我々が予想するに別の惑星と戦争をした結果と思われる。その証拠にエルフ国や魔界国では同一の兵器が発掘されている。まったく同じ武器を敵国同士で使用するとは考えにくい。つまり彼らとは、はるか昔は同盟国だった…、いや、もしかしたら同じ国だったということだ」

 そう国王が力強く言った。


「は、はるか昔から同盟国!?」

「しかも惑星全体の国が…」

「そんな…その仮説ならばあの悪名高い今は亡き『アフィン帝国』すらも同盟国だった可能性もあるのか…!?」

 会議室はとてつもない勢いでザワつく。


 それにタリックは、

「では、崩壊した文明を立て直さなかったのはなぜでしょうか?」

 と、尋ねた。


「それは残った文明は全て軍事関連だったからだ。戦争で人々の暮らしに必要な文明はほとんど失われた。これが一番の原因だと考えられる」

 そう言うと国王は少し間を置いた後、

「ここからは私の予想になるが、おそらく我々の先祖は二度とこのような悲劇をおこさない為に、軍事関連の文明は全て闇へと葬った。その結果、我々の現在様々な技術水準は下がってしまった…。軍事技術の発展は生活水準の技術発展にも使える。現在の文明と当時記録された文明を比べると、やはりあまりに高度な技術は全て封印してしまったのだろう…」

 国王の話に皆黙り込んでしまった。


「私は考えた。現在その封じられた技術を使い、再び戦乱の世に戻そうとしている輩がいる。我々は何としてもそれを阻止しなくてはならない!」

 国王はそう言うと立ち上がり、


「ワシはこれからエルフ国及び魔界国に共同戦線を申し入れようと思う。かつてのように共に歩んでいきたいと思うのだ…。賛同するものは立ち上がってくれ。この中で一人でも反対の者が居れば、ワシは今まで通りルグニア王国はルグニア王国なりの作戦で誘拐犯と戦っていこうと思う。だが、もし再び我々三国が共闘すれば数千年前のこの星のように皆手を取り合って生きていけるようになるのではないかと思うのだ。それを考えた上で皆には決めてもらいたい」

 国王がそう言い終わると、全員が立ち上がり国王の方を向く。


「うむ…。皆ワシの意見に賛同してくれるのか?よろしい。ではエルフ国、魔界国に共同戦線の申し入れをする!」







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