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第15話 人形が言っていた言葉の意味とは


 解体作業は軍が駆けつけるまで続けられた。


 そして人形は再び文部省が持っていき、ファルゼンは不満そうにしていた。明らかに不機嫌な面である。


「はぁ、これでまたしらべる機会が失われました。まったく、彼らは誰があの人形の発見者かわかっているのでしょうかねぇ」

 と、ファルゼンはブツブツと文句を言っている。



 先程まで避難して誰も居なかった場所には、今では野次馬が集りアルバート達には賞賛の声が上がっている。

 しかし、アルバート達は駆けつけた兵士達に思いっきり叱られた。

 まぁ、当然である。



「ちっ!こっちはあの人形を倒してやったってのに、うるせぇ奴らだ。…んで、ファルゼン。何かわかったのかよ?」

 リリヤが兵士達の叱咤から抜け出してそうファルゼンに問いかけてみると、


「構造面では特に新たな発見はありませんでした。変わったところといえばアレを動かしていたエネルギーでしょうか」

「エネルギー?」

 ファルゼンの答えにピンとこないリリヤ。


「私も詳しいことはわかりません。なにせそれを調べようとしたところで文部省の連中が持って行ってしまいましたから」

 と、ファルゼンは残念そうに言った。


 すると、


「困りますよぉ~、ファルゼン君」

 一人の男が近寄ってきて、ファルゼンに声をかけた。



「ファーシング議員…」

 ファルゼンは近寄って来た人物の名前を呟き、頭を下げた。


 ファーシングという人物はエルフ国の元老院の議員の一人である。

 エルフにしても病的な程肌が白い人物だ。



「いやぁ~、まずは先に事件を解決してくれた事に礼を言うべきだったなぁ。ごめんごめん」

 そう言うとファーシングという人物はニンマリと笑った。


「事件を解決してくれた事はありがたいけどぉ~、人形をあそこまでバラバラにしちゃうとぉ、あれが再び動き出した原因がぁ、掴めなくなっちゃうかもしれないんだよぉ?」

 と、なんともかったるい喋り方をするファーシング議員。


「申し訳ありません。ファーシング議員」


「いやいや、まぁいいさぁ~。君の古代技術好きは昔からのことだしぃ、古代技術の研究も君の功績でかなり解析が進んだ部分もあるからねぇ~」

 本当に話し方が変に鼻につくファーシング。


「んじゃぁ、僕はもう行くからねぇ~。また遺跡発見したらすぐに教えてねぇ~」

 と、ファーシングはそう言うと去っていった。




「それでは、我々も行きましょうか。馬車の発着場。機能しているといいですねぇ…」

 そういったファルゼンは疲れきった表情をしていた。


「あのファーシングってどんな奴なんだ?古代技術がどうこう言っていたが…」

 アルバートは馬車の発着所へ向かう途中ファルゼンに聞いた。


「あぁ。あの方は元々文部省出身の元老院でね、現在でも古代技術や遺跡調査の第一人者なんですよ。噂ではあの方が古代の情報を止めていると言われていますね…」

 と、ファルゼンは答える。どうやらファーシングという人物はルグニア王国でいうところの『カム・ネ・リスアン』のような人物のようだ。


「ふ~ん」

 アルバートは納得したが、

「それはそうと、あの人形…?カインの親父さんの家に来た人形とはかなり違っていたから全く参考にならなかったなぁ…」

 と、不満そうな顔をする。


「だけど、なんなんだろう…。あの人形が言っていた『連邦』って」

 カインが不思議そうにそう言った。


「今は確か連邦制の国家は存在しないはずだが…」

 ルージュがそう言うと、


「今はって事は、昔は存在したのか?」

 と、アルバートは尋ねる。


 この言葉に呆れたようにハァ、とため息をつきルージュはアルバートを見る。

「なんだよ!授業の内容なんて全部覚えてられるかよ!」

 と、アルバートは怒るが、カインが、

「ほ、ほら、リース村へ行く途中アフィン帝国の話をしたでしょ?」

 喧嘩になる前に会話に割り込み、アルバートに説明を始める。


「アフィン帝国が帝政になる前少し前には『アフィン王国』で、その数年前は元々『ハイロク連邦』だったんだ。これが唯一の連邦制の国家と言われているんだよ」

 と、説明した。


「へぇ~」

 と感心するアルバート。

「んじゃ、あの人形はハイロク連邦が作ったやつなのか?」

 と、言ったが、


「それはわかりませんが、あのような産物がまだこの世界に眠っている可能性が沢山あります。貴方達はこれから連続誘拐事件に首を突っ込むおつもりならば、尚更覚悟をしなくてはいけませんよ…」

 ファルゼンはそうアルバート達の顔を見ながら言った。


「マジか。俺たちが誘拐犯探ししていることはお見通しって事かよ…」

 と、アルバートがファルゼンの言葉に驚き呟いた。

 まぁ、彼らの行動を見ていれば誰だって丸分かりである。


「さて、これから魔界国へ行きます。リリヤのペガサスはまた他の場所へ連れて行かれないよう確保していただいていますので安心してください」

 ファルゼンはそう言うと、全員を馬車がある場所へと案内した。







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 エルフ国文部省技術解析室。


 ここでは古代の技術や新しく生まれた技術を正確に測定するためにある部署の部屋である。

 そこで、早速アルバート達が破壊した人形達が並べられてちた。


 室内のエルフ達はその中の一体。リーダー各の人形を入念に調べていた。


「まさか…あの話が本当だったとは…。いや、確認できない以上これが本物かどうかは…」


 エルフ国王都で暴れていたリーダー格の人形を調べていた技師長は、発光する板を見て手を止めた。

 発光する板はエルフ国で使われている計測器であり、様々な力を計測できるものである。


 今回技術長はファルゼンが分解した人形を隔離するか否かを判断する為に直ぐに調べていた。


「ここの研究室からレベル五以下の研究者はただちに離れろ。…それと、文部大臣及び国防大臣を呼んでくれ」


「りょ、了解!」

 技師長の命令で部下の技師が部屋から出ていく。



「『闇の悪意』…。本当にあったなんて…。いや、それよりもこんなものがどうして…」

 技師長の手は震えが止まらなかった。




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