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第13話 古代の人形を見てみよう



「そんなことがあったのだな…」

 と、ルージュは言った。


「え?ノロケ話?」

 アルバートがそう言うと、


「あ"」


 と、リリヤはアルバートを恐ろしい形相で睨む。

「い、いや、なんでもない…」

 アルバートは慌てて目を逸らして否定をした。


「だけどその話を聞く限りリリヤが結構悪いような…」

 カインがそう言うと、

「あ"ぁ?」

 と、カインもリリヤに睨まれた。そしてカインも小さくなる。


「まったく。アレのせいで親にも姉ちゃんには怒られるし、散々だったぜ」

 リリヤは怒りながらそう言う。


「おぉ。リリヤには兄弟がいるんだな。私にも兄がいるぞ!父上の第一師団の団員として活躍しているのだ」

 ルージュがそう言うと、


「へぇ~。そうなのか。ダーウィン流の騎士には会ってみたいもんだな」

 と、リリヤは感心したように言った。


「それよりも、話の最後に出てきた術の気配が無い人形って昨日アルバートとカインが戦った像の話と似ていないか?」

 ルージュの言葉にアルバートは、

「そうそう、俺もそう思ったんだよ。その遺跡や人形を見てみたいんだがなぁ~」

「場所はルグニア王国のリース村ですから、遺跡を見たいのであれば引き返さないといけませんね」

 と、後ろからいきなりファルゼンが話しかけた。



「「「うわぁ」」」

「うわわわぁあ!出たぁ!」

 全員が驚きファルゼンの方を向く。

 一人だけ変な声を出すリリヤ。


「気になるのならお見せしましょうか?例の人形」

 ファルゼンの言葉に、


「この国にあるのか!?リリヤの話の中にあった人形」

 と、アルバートが聞いた。

 それにファルゼンは答え、

「えぇ、ありますよ。共同研究は現在も続けられていましてね。実はあれと同型の人形もエルフ国の遺跡から発見されたのですよ。発見したのは私ですがね」

 そう自慢気にファルゼンは言った。


 アルバート達にとって貴重な情報を得られた瞬間だ。

 是非とも見てみたいと彼らは思う。


「またお前が…、なんでそんなにポンポンと見つけるんだよ…。ってか聞いていたのか、私達の話を…」

 リリヤは呆れたようにそう言うと、ファルゼンは得意げな顔をして、

「勿論、話は途中から聞かせてもらっていましたよ。あと、遺跡の発見は個人的な探究心ですのでこれからもどんどん発見していく予定です」

 と、答えた。

「お望みとあらば私があの人形が保管・研究されている博物館までご案内いたしますよ」

「おぉ、マジか!ありがてぇ」

 アルバートはファルゼンの提案に喜んで乗る。

「そうと決まれば行きましょうか。私とリリヤの思い出の人形のところまで」

 ファルゼンは"私とリリヤの思い出の人形"というセリフをリリヤを見ながらニヤリと笑って言った。


「ちっ!」

 リリヤは自分の失態を思い出し忌々しいという表情で舌打ちをした。






 一行はすぐ近くにあるエルフ国文部省が管理する博物館へ行った。


 博物館の中には古代遺跡から出てきた品が大量に保管されている。

 しかし、飾られてあるのはどれも食器や花瓶、絵や木製の家具、剣や弓ばかりで今使用されているものとあまり変わりないような感じである。


「なんか古代遺跡で動く人形を見つけたって言うから、先祖はもっと凄い道具を使っているかと思った」

 と、アルバートはつまらなそうに言う。


「確かに噂では昔は今より技術が進んでいたって話はよく噂で聞くよね」

 カインもガラスケースに飾られている魔法道具を見ながらそう言った。

 ここまで案内したファルゼンは、足を止め自身の手を目の前のガラスケースへと差し向けた。


「これです。実際あの時発見した人形ではなく別の場所から発見した人形ですが、同型です」

 ファルゼンが指さした方向には話にあった通り足が無い人形?があった。


「紹介文には『古代のオブジェ』とあるが…」

 ルージュがそう言うと、

「そうそう。これだよ!こいつ。色がちょっと違うけどな。だけど『古代オブジェ』じゃなくて『防衛ロボット』だとこいつは言ってたぞ!なんでなんだ?」

 と、リリヤが興奮したように声を上げた。


「ふぅ…」

 ファルゼンはため息をつき、周りに人が居ないことを確認すると、

「ちょっと裏の事情になってしまいますが、カイン君でしたっけ?彼が言う通り、大昔は今よりも確実に技術力は上でした」

 と、説明した。


「え?」

 カインは驚き目を丸くする。


「それとこの人形の説明文がどう関係するんだ?」

 リリヤの言葉にファルゼンは再びため息をつき、


「今から説明します。おそらくエルフ国はその事実を隠そうとしています。理由はわかりませんが、私の推理ですとおそらく未知の部分が多いからだと…」


「なるほど、昔ファルゼンやリリヤが経験したように危険があるということか…」

 ルージュは納得してそう言った。


「ふ~ん。なんかいやらしいな、エルフ国。ってか私の質問に答える度にため息をつくのはなんだ?喧嘩売ってんのか?」

 ムッとしながらリリヤはファルゼンに詰め寄る。

「フッ。勿論ルグニア王国もこの事実を隠していますよ。おそらく魔界国もね」

 ファルゼンは笑いそう言った。リリヤの発言にいちいち小馬鹿にしたような態度をとっているようだ…。


「まぁ、発見者の私も見つけて報告をした時点で二度と触らせていただけなかったので、明らかに隠したいんでしょうね…」

 ファルゼンは少し悔しそうな顔をし言ったあとで、

「なので、次から次へと発見をして研究できるように考えているのですが…。今まで見つけても持っていかれてしまうだけなのです…。つい先日も2体発見しましたがもっていかれてしまいました。ここにある人形と合せ計4体発見したのですがねぇ…」

 そう言うと、両手を横にし首を振りヤレヤレとするファルゼンであった。


「やっぱ全部文部省が持っていくのか?」

 アルバートがそう尋ねると、


「えぇ。古代遺跡で発見された物は全て…」

 と、ファルゼンは答えた。そして、

「では、皆さん。あまり参考にならなくて申し訳ありませんが、そろそろ魔界国への馬車の準備が出来たと思いますので、向かいますか…」

 と、ファルゼンが一行を誘導しようとしたその時、博物館の警備員が慌ただしく走っている様子が彼の目に写った。


「何かあったのだろうか?」

 ルージュが気になりその様子を見ていると、博物館内全体にアナウンスが流れる。


「<現在から急遽博物館が閉鎖となります。申し訳ございませんが館内にいらっしゃるお客様は直ちに係員の誘導でこの館から離れてください>」


 落ち着いた口調でアナウンスが流れた。


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