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第10話 エルフ国到着


 エルフ達が住む国『エルフ国』。王制であるが国号に『王国』は付いていない(魔界国も同様)。エルフ族の象徴の国である。

 エルフ国はこの星で一番大きい宗教の『ピザ教』の聖地がある場所としても有名である。その為、魔術でも聖術でも悪意のある術に対しての防御術が発達している。


 一行はエルフ国の王都『ルルン』にある軍施設内の発着所へ到着した。

「さて、ペガサスが居る馬小屋はどこだ?」

 ルージュはリリヤが広げている案内地図を覗き込む。


「う~ん。この方向はここから少し離れているなぁ…」

 リリヤが先頭に立って先へと進む。

 そして一行はリリヤのペガサス『フィーナ』がいるとされる場所へと向かった。









「ぬぁ、ぬぁんどぁっつうぇえええ!?(な、なんだって!?)」

 リリヤが大声がエルフ国軍の馬及び馬車管理場に響く。



「申し訳ございません…。既に連絡を受けた時には出発してしまっていて…」

 エルフ国軍の馬車係りはとにかく頭を下げる。



「てっめ、っざけっっじゃねぇっぞぉぉぉおおお!?(テメェ。ふざけんじゃねぇぞ!?)」

 リリヤは顔を真っ赤にしながらエルフ国の兵士の両肩を掴み激しく揺さぶる。

「ひぃぃぃぃぃ!!」

 エルフ国の兵士はリリヤの迫力に負け小さく悲鳴を上げている。

「ちょっ!」

 アルバートは慌ててリリヤをエルフ国の兵士から引き剥がす。

 カインも一緒だ。


 リリヤがこう大声を出している原因はルグニア王国から連絡を受けた時には既にリリヤのペガサスは魔界国へと連絡係として行ってしまったとのこと…。

 リリヤのペガサス『フィーナ』は大活躍中なようだ。

 しかし哀れなエルフ国の兵士。鬼のような顔をしたリリヤの二人目の被害者である。


「っだらぁぁぁぁぁ!!!ごらぁぁぁぁあああ!!」

「リリヤ落ち着けって!」

「そうだよ!ここで暴れても仕方がないよぉ」

 アルバートとカインは必死にリリヤの両腕を掴んでなだめようとしている。そうしないとリリヤがエルフ国の兵士を殴ってしまう恐れがあったからだ。

 ここで問題を起こして牢屋に入るわけにはいかない。


「流石に二度目だとなぁ…」

 ルージュも少し怒っているようだ。

 だが、リリヤは別の意味でも異常に焦っていた。隣にある馬車をチラッチラッと見ている。


「あん?『聖法省』?」

 アルバートは先程からチラチラとリリヤが見ている馬車を見て疑問を感じ馬車をよく見てみると、馬車には『聖法省』と書いてあった。

 しかし、アルバートはなぜリリヤが聖法省の馬車をチラ見しているのか理解ができない。


「す・ぐ・に!魔界国へ行く準備をしてくれ!」

 と、リリヤが言い出した。

「しょ、紹介状ですか!?い、今すぐには無理なので、明日もう一度…」


「あ"あ"!?」


「ひぃぃ!お、お許しをぉぉぉぉ」

 リリヤの威嚇ですっかり小さくなってしまった受付の兵士。

 それにしてもこのエルフ国の兵士。本当に兵士が勤まるのか心配になってしてしまう。


「魔界国へ行くよりこの国で待っていた方がいいのではないか?」

 と、ルージュはリリヤに提案するが、


「いや、あの子は直接私が迎えに行く。こんなことじゃ、早く会わないと次にどこへ行ってしまうかわからん!」

 そうリリヤが言うと続けて、


「それにこの国から早く出たいんだよ!」

 と、言い出した。リリヤはかなり焦っているようであった。


「ここはエルフ族にとっては最高の国じゃないのか?まぁ、こんな事になって早く出ていきたいと思うかもしれんが…」

 と、アルバートは不思議に思い問いかける。


「そんな他のエルフの事なんて知るか!私は一刻も早くこの国を出たいんだよぉ!」

 そう先程と同じセリフを繰り返すリリヤ。

 すると、




「騒がしいですねぇ…。何があったんです?」




 奥の方からそう声がした。一同が声のする方向を見て、少し離れた所に一人の青年がいることを確認する。

 近づいてきた人物は長身長髪で深緑の髪をしたエルフの青年であった。



「グゲ!?」

 リリヤがアヒルのような声を出す。


「ん?君は…」

 向こうの青年もなにかに気がついたようだ。



「リリヤか?」

「ファルゼン!」

 二人の声が同時に響く。どやらリリヤは向の青年を知っているらしい。


 リリヤは明らかに嫌そうな顔をし、ファルゼンと呼ばれたその青年は呆れたような困った顔をしている。



「なぁ、誰だ?あの人」

 アルバートが紹介して欲しいと言う雰囲気を出ししてリリヤに言った。


「うぐ…。あいつはキチガイ外道卑怯者の最低聖術師だ。奴と一緒に居るとろくな事にならない!!」

 リリヤはとんでもない紹介をしたが、それを聞いたエルフの青年は不服そうに、


「何という紹介をするのですか、全く。相変わらずですね…、あなたの紹介では皆さん私の事を勘違いしてしまうではありませんか」

 そう言うとその青年はリリヤから視線をずらして他の者へと向き直り、


「私は聖法省術関係事件部所属の『ファルゼン・スタンフィー』と申します」

 と、エルフの青年ファルゼンが自己紹介をした。

 アルバート達の第一印象としては目の前のファルゼンという青年はとても誠実そうな人物だと感じた。

 それゆえなぜリリヤがこれほどまでに拒絶反応を出しているかがわからない。


 続けてルージュ、アルバート、カインの順で自己紹介をする。そして、ルージュが事の経緯を説明すると、


「なるほど、ですが仕方がないですね。元々我々の失態ではなくあなたがたの国が犯したミスだ。確かに他国へ連れていく許可はとっていなかったのは問題かもしれませんが…。わかりました。では、私が責任を持って一緒に君たちが探すペガサスを引き取りに行きましょう」

 と、ファルゼンが言った。


「な、なんだって?なんでお前も一緒に来るんだよ!」

 リリヤは明らかに嫌そうな顔でファルゼンの同行を拒む。


「君のペガサス。実は聖法省が軍から借り、魔界の伝達係として依頼したのです。さらにそれを依頼したのは私が率いる班でしてね…」


「お、お前のせいか!」

 ファルゼンの話で憤慨するリリヤをアルバート達がなだめ、魔界国へ渡航する準備を行う。










「アルバート、そういえば流れで私達も魔界国に行くことになってしまったが…」

 ルージュが不安そうに聞くが、


「あ、あぁ…。まぁ、犯人探しの為に各国を回ることが出来るし、あの二人だけ旅させるわけにいかないだろう…」

 アルバートが難しい顔をしながら言った。


「エルフ国で全く犯人の手がかりが掴めないまま別の国に向かおうとしているけどね…」

 ボソッとカインがそう言うと、


「ほら、そりゃあれだよ。エルフ国は魔法使いが少ないから。多く被害に遭っているって言われている魔界国に行くべきなんだよ」

 と、今思いついた理由をアルバートは言った。

 どうやら流れに任せてしまったことを認めたくないらしい。



 今アルバート、カイン、ルージュの三人は魔界国へ出発する時間がかなりあったため、当初の目的である術に対する道具を調達しているのである。リリヤは調べたいことがある。と、別行動中だ。

 三人は対聖魔術用の防犯道具店に来た。置いてある道具は殆ど聖術関係のものであるが、聖術の知識に乏しい三人は何を買ったらいいのかわからない。

 それぞれ道具について相談しながら全員とある事について考えていた。


「あの二人って一体何があったのかな…」

「あ、それ俺も気になっていたんだ」

「確かにあの拒否反応は異常だろう」

 カインが言うようにアルバートやルージュもかなり気になるようだ。



「そ・れ・は。なぁ~」

 いきなりリリヤが割り込んできた。それに驚いたアルバートは、

「おわぁ!リリヤ、調べたいことがあるって言っていたがもういいのか??」


 リリヤは軍の馬車発着所から別れ、一人エルフ国で一番大きい図書館へと行ったはずであった。

「調べたい本が一時閲覧禁止になっていた…」

 そうリリヤがショボンとしながら言った後、

「そっちは何をしているんだ?聖術グッズ??お前たちの中でこれを扱えそうなのはルージュぐらいだろ」

 と、言った。

「な!わ、私が使えるとなんで思ったのだ!?」

 そうルージュが慌てた表情をしながら聞いてきた。

「あん?そりゃぁ、聖力の流れを見りゃ分かるさ。私だって一応聖術使えるからな」

 と、当然という感じでリリヤは言った。


「そうか…。私の中には一応聖力が流れているのだな…」

 ルージュは突然ブツブツと言いながら自分の世界へ入ってしまった。


「なんなんだ?」

 ルージュの突然の変わりようにリリヤは疑問を感じていたが、アルバートとカインは自分達でも使える対術用の道具が欲しい事をリリヤに伝えた。


「なんだ、そういうことか…。ならこの店は占い専門だから目的のモンはねーぞ?」

 アルバート達は自分達の道具選びの才のなさを感じ悲しくなってきた。




「所で、どうしてファ…ファルゼンだっけ?と仲が悪いんだ?」

 買い物をすませ思い出したようにアルバートがリリヤに尋ねる。


「あぁ、その話か…。過去にちょっとあってな…」

 リリヤがファルゼンとの思い出を話した。


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