村 ~再来~
そうして異世界転移してから21日目。長い間気を失っていて、さらに2日安静にしてたらもうこんなに…。
地球でいう「一ヵ月」がもう経ってしまう‼
今日の目的はまた「村」前回のリベンジということになる。村に入れてもらい、そしていろいろ食材や何か役立つものを買う。
お金は魔物を倒すごとに勝手にたまっているみたい。その残高が、今の私たちのレベルがわかるのが、今必要ななものすべてが村にあるからだ。
「みんな、準備できた?」
みんなはこちらを向き、頷いた。
そういえば、リアは眼鏡をかけている。この世界にも眼鏡があるみたい。
世界が違っても、便利なものはどこにでもあるのかもしれない。それじゃあ、そろそろ…。
「しゅっぱーつ‼」
とうとう、村へ出発だ。いつまでも不安がっていたって仕方がない。今回こそ、成功すると思わないと。
ルートは前回と同じ正面の南門へのルートにする。
迂回などをしたら帰って警戒をされてしまうかもしれない。
そうなってしまったらもう本当に村へ入るのは難しくなるだろうし、
私たちの家もばれてしまって、襲撃を受けるかもしれない。
結局、多分前回のように待ち伏せされてしまうだろう。そう私は予想した。しかし大きく外れていたようだ。
前回同様魔物と戦いながら進んでいったが、商人に会うことはなかった。
前は商人が私たちが来るのを村に教えてしまったのが待ち伏せされた原因だと推測した。
けど、今回は商人が全くいない。しかも、前よりも魔物数が多い気がする。この数週間の間で何か変化があったのだろうか?
そして、村についた。しかし待ち伏せなどはされておらず、検問所があるだけだった。
しかし、検問の兵はこちらに気づいた様子。慌てて剣を構え、こちらへ走ってきた。
「みんな、3人来るよ‼ 攻撃はしないでね!」
「了解‼」
襲ってくると思っていた。しかし、兵は私たちの手前でうろたえた顔で歩みを止めた。
そうだった。リョウはこの村出身の冒険者。この検問の兵たちとは知り合いだったのだ。
「リョウ、お前が、何でここに…?」
「ああ、お前らは、ユウたちか…」
一瞬その場が凍り付く。重い沈黙があたりを包み込んだ。