ぷよっと探索‼
家の中に入ってみると、寝室と大きい作戦会議室的な雰囲気が出ているリビング、そしてなにも家具がない部屋が一つ。寝室には大きいベッド、玄関にはメモの図鑑というものが置いてあった。リビングには椅子や机、台所などきれいな設備があった。そして何よりも気になるのが、リビングにある大きな地図。そして、真ん中に大きく赤く印がつけられていた、これが現在地ってことかなあ? そんなことを考えていると方から机へ「ぽよっ」と降りた。そういえばスライム、名前つけてないっ! 青色のよく見るスライム…、わかりやすくて王道がいい…。
「すっちゃん! すっちゃんって呼んでいい?」
するとすっちゃんは嬉しそうにぴょんぴょん飛び回った。
まだ出会ってすぐなのに可愛くて、ずっと一緒にいたい…。そう思いながら、すっちゃんを手に乗せて、そのまま肩へ移動させた。
もう一度地図のほうに目をやってみよう。と、気になるもの発見っ!
それは「洞窟」のマーク。その洞窟は「ミダイ洞窟」というらしい…。この辺の地名が「ミダイ山脈」と書いてある。一番近い洞窟だ。
地図には危険レベルも書いてあって「ミダイ洞窟」は危険度1、そこそこは魔物が出るらしい…。ただ、防具が出土することが多いんだとか。
とりあえず、草原を探索してから、洞窟に向かおう‼
「ガチャ」家の外に出てみたはいいものの、どこを探索しようか…。幸い、家には「ディレクションコンパス」という、家の方向がわかるコンパスがあったので、迷わなさそう。まずは北のほうへ行ってみようっ。どこを見てもスライムがたくさんで楽しそう…。
少し歩いて行った先で一本の木があった。
近づいてみると… 草むらの影から私と同じくらいの大きさの獣が現れた!
「ガルルルルㇽゥー、」
「獣だぁっ‼」
獣を前にすると足が動かない…。心臓の音がバクバク聞こえる…。この獣も仲良くなることができる?
いや、多分私がおびえていたら無理だ。仲良くしようと思った時だけ仲良くなれる、多分そういうことだ。
--------獣が猛スピードで突進してきた!
「うわっ‼」「きゅわぁ‼」
私とすっちゃんは間一髪でよけ、地面に転がった。
速く起き上がらないと、その時すっちゃんが私に何かアピールをしていることに気が付いた。
「もしかして、戦うの?」
「きゅうっ!」
「そんな…、、」
すっちゃんで勝てる? いやいや、前のままの攻撃じゃ勝てないよ…。そういえば、家を出る直前に見た魔物図鑑のスライムのページでスライムの能力「巨大化」
が説明されていたような…。もう、こうなったらすっちゃんに頼るしかないっ!
「すっちゃん、お願い!」
「きゅっきゅう‼」
すると突然、すっちゃんはすさまじい光を発した‼ そして、次にすっちゃんが見えたときには----------、私よりも大きくなっていたっ…。
そのまますっちゃんは獣へ思いっ切り突撃した。その瞬間、獣は10mくらい飛んで行って動かなくなった、と同時にすっちゃんは元の大きさに戻った。
「やったね! すっちゃん!」
「きゅうっっ‼」
そうしている間に空はすっかり暗くなってしまっていた。
それから、薬草や山菜を取って帰った。私は田舎暮らしで山菜や昔取っていたらしい薬草などに知識がある。
ただ、この世界では薬草に即効性があるらしい…。さっき獣の突進をよけたときに擦りむいたところに薬草を使うとすぐに傷が治って痛みもなくなった。
あと、さっき見つけたけど家に木刀があった。私には重いっ、けど洞窟にはもって行ったらいいかも…。今日はゆっくり寝て、明日ミダイ山脈近くの村を目指して旅をしよう。
のんびり過ごすスライムスローライフはまだまだ続く…。