<心配事>
朝方、5時頃。私は目が覚めた。何か音がしたような気がしたからだ。
リビングのほうへ行ってみて、すっと地面へ目をやる。すると誰もいない掛布団があった。
「リョウ、くん?」
どこにもいない。ただ、外で気配がするような気がする。正面の廊下を歩き、玄関のドアに手をかけ、
「ガチャ」開ける。すると外には朝日を見るリョウくんの姿が。横の焚火はもう消えている。
敷布団の形からして、一応寝たのは寝たようだけど…。そういえばこの世界も24時間サイクルのはずだ。なのに太陽はもう顔を出している。
着実に動きを止めずに動いている。少し太陽が昇るのが早いようだ。
「リョウくん? どうしたの?」
「ああ、居たのか。少し、心配でな」
「何を心配してるの…?
何を心配しているのだろうか。
しかし、確かにリョウくんの顔は心配そうに曇っている。
「レナたちの目的は「村」だろ? でも村に魔物は…、いい魔物でも……」
そうだ。村を追い返されてしまったんだ。私たち3人は危機一髪逃げ切った。
ただ、かなり危なかった。マナちゃんは重症、私もマナちゃんを助けた後、意識を失ってしまった。
「うん、前に行ったとき、追い返されちゃった…」
「そ、そうなのか…」
静寂、静かな雰囲気が流れる。
だが、私はその静寂をぶち破った。
「でも、また訪問するよ。入れてもらえるまで。私には大きな目標があるんだ!」
「どんな目標なんだ…?」
「それは「人間と魔物の戦争を終わらせる」って目標だよ! 大きすぎる目標だから私はしょんぼりしたり、立ち止まっているわけにはいかない!」
「そうなのか…。よし、分かった。俺も全力で手伝おう‼」
そう、私は立ち止まっているわけには行けないんだ! そうこうしている間にも双方で罪のない人々が亡くなってしまっている。
リョウくんが協力してくれるのはとても心強い‼
「ありがとう‼」
太陽が昇る。とうとうそのすべてが地平線から顔を出した。今日も一日が始まる。
さあ、張り切っていくぞー!
「ガチャ」リョウくんと私はドアを開け、家の中に入った。