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一部ルビを追加しました。(本文の内容は変更ありません。)
そう言えば、根本的な事まだ聞いていない。
「リラ、ソラ、魔法やスキルはどう使うの?スキルは君達のスキルみたいに無意識に使えるものもあれば、意識して使うものもあるでしょう?多分、私の創造と慧眼は意識して使うものだよね。」
『ねぇねは頭いいね!うん、その通りだよ!』
『創造はね、ねぇねの手を前に出して創造って唱えて、ほしいものを頭の中で思い浮かべると出てくるよ。』
「手を前に出して、唱えて、欲しいものを思い浮かべる……。」
うん、実戦あるのみ。
じゃあ先ずは、さっきから欲しいと思っていたナイフから作ってみよう。
草とか生えていると歩き難いから刈りたいし、他にも採取とか万が一の防衛にもなるし。
「創造!」
すると何という事でしょう!
目の前にナイフが出てきました!……宙に浮いて。
「わぁ、記念すべき創造第一号だね!これ改良とか出来るかな。」
試しにナイフを手に持ち、創造と唱えてみると、頭の中でナイフが私の望む形に変わって出てきた。
「へぇ、改良とか改造も出来るんだね!」
『ねぇねすごいね。』
『僕たちそれは思いつかなかった!』
「そうなの?ほら、前に作ったやつを作り替えられたら無駄にならないでしょう?だから試してみたの。上手く出来て良かった。」
中々良い出来でご満悦。
「よし、次は慧眼だね。慧眼って、物事の本質を見抜くとかそういう意味だね。」
『うん。』
『じゃあこれ見てみよう!慧眼って言ってみて!』
ソラが何か植物を咥えて持って来たので、手を出してそこに植物を置いてもらい、「慧眼」と言ってみると、先程のステータス画面のようなものが出てきた。
・名称 クラルー草
・生息地 自然の多い所
・見た目 ラベンダーのような花を咲かせる。
・体力を回復する。擦り潰して傷口に塗って治す事も可能。調合すれば体力回復ポーションが作れる。花には解毒作用があり解毒薬としても使用可能。食用草。
「名称と生息地に、使い方が出てきた!結構詳しく表示されるんだね。」
『ねぇねの慧眼のレベル高いから!』
『本当は、最初は名前しか出てこないよ。』
「そうなんだ。」
『言い忘れてたけど、レベルは1から10まであって、10がいちばん上だよ。ねぇねの創造と慧眼は最初からレベル10だよ。』
「つまり、既に一番上って事ね。」
『あと、地球にあったものと似てるとか、ねぇねに合わせて色々書いてあるよ!』
うん、これは使い方を気を付けないといけないね。
いきなり最高レベルとかチートだよ。
『因みに、慧眼は声に出さなくても使えるよ。』
『ねぇねのレベルなら、慧眼を使っているのバレないと思う!』
『レベルが低いと、声に出さないで使っても、慧眼を持ってる人同士は使ってることが相手にもわかっちゃうよ。』
「成程、同じスキルを持つ者同士だと、唱えなくても使っている事が分かる場合がある、と。レベルによって視える情報も変わるから、要注意だね。」
先程創造スキルを使ってノートとペンを作ったので、それにリラとソラから教えて貰った内容と考察を書き込んでいく。
本当に異世界に来たんだな、としみじみ思う。
『じゃあ、最後に称号だね!』
『称号は、簡単に言うとその人を表す言葉だよ。』
「結構あっさりしてるのね。君達の称号は説明が無くても大体理解出来るけど、私の「女神の祝福を受けた者」って何?」
『さっきねぇねは間違って地球で生まれちゃった話をしたでしょ。女神さまは様子を見ましょう、って私たちに言ったけど、そのせいでねぇねには良くない事がたくさんおきちゃったんだよ。』
『本当は、ねぇねはもっと幸せになってたはずなんだけど、お迎え遅くなっちゃった!』
『悪いことをしてしまったから、今度は幸せに暮らせるようにって、女神さまがねぇねに祝福をあげたんだよ。女神さまは信仰されているけど、祝福を受けた人は、こっちの世界はねぇねのご先祖さまで一人だけなんだよ。』
『リラ、難しい言葉しってるね!』
本来生まれるべき筈の場所ではなく理の違う別世界で生まれてしまった私は、地球にとってはイレギュラーな存在だ。システム的に言えば私はバグなのだろう。
何と言うか、心境はかなり複雑だけど、無事?に本来生まれるべきだった世界へ帰って来られたので、その辺は水に流しましょう。
「そういう事ね、理解したよ。これでステータスについての説明はお終いだね。」
この短時間でノートがかなり埋まった。
これからも沢山書く事になりそうだ。