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王国だけでなく共和国もあるならば、おおよその統治方法は地球とあまり変わらないはず。ガーベラ公国とフリージア皇国、ゼラニウム王国は恐らく世襲制の君主国で、ルピナス共和国だけは君主の居ない、つまりは地球の日本と同じ政治体制なのだろう。
「一応、各国の情勢もある程度教えておきたいのだが、どうする?」
『ねぇねはそこそこ理解しているみたいだよ。』
「あら、リラちゃん私の思考読んだの。」
「……どういうことだ。」
私は国名から予想した統治方法についてアスターに説明すると、驚いていたが解釈は当たっていた。
「その考え方で合っている。ルピナス共和国には指導者という存在が主に国を統治している。政治的観点が既に他国と違い、現在の指導者は国家統一を目論んでいるとの話もある。特にゼラニウム王国を敵視しており、建国から中立を保ち続けているフリージア皇国から侵略し、ゼラニウム王国へ攻め込むという線が濃厚だとゼラニウム王国の国王陛下はお考えだ。重鎮らは慎重に王国と各国を調査している。」
「そんな重要な話をサラッと言わないでよ。……ミュゲラム家って、ゼラニウム王国の重鎮なの?宰相とかそう位置にいる家系の人?」
「……よく分かったな。」
地球にいた頃の私よ、グッジョブ。一般教養もファンタジー好きが故に身につけた知識も役に立っている。
そう、世界が違うのに。世界の理やいろんな概念が全然違うのに、地球での知識がかなり通用している。
国の名前やいろんなところで出てくる様々な名称は、地球にあった花の名前が多く存在している。
少し前から感じていた違和感はこれか。
地球との並行世界が存在していて、この世界は並行世界の1つだったりするのかな。
『ねぇねって、本当に地球で過ごしていたのか謎に感じることがあるよね。』
『ねぇねはこっちの世界で生まれるはずだったんだから、知識があってもおかしくないよ!地球にいた頃、ファンタジーとか異世界に憧れていたのも納得できるでしょ?』
『それもそっか。』
リラとソラの考えに納得した。アスターとフローラは興味津々に話を聞いている。アスターは異世界についての研究をしているから楽しいのだろう。フローラは……どうなんだろう?
『シアねぇのこと、たくさん教えてもらえてうれしい!』
あ、そういうことだったのね。
可愛すぎてフローラを思わず抱き上げて撫で回した。