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一部ルビの追加と、漢字からひらがなに変更しました。(本文の内容は変更ありません。)
触れられるという事は実体があるので、本当にファンタジーな世界に転移(こちら側の世界で言えば回帰)したのだと理解した。
でも、この子達が元々こちらの世界の住人だったとはいえ、地球側で突然居なくなって、実家に残っている子達や家族はどうしているのだろうか。
あと、地球にいた自分の存在がどうなっているのか、交友関係が狭かったとは言え、私と関わりがあった人や仕事とか家とかどうなったのか気になる。
「あっちの世界の私達は、どうなったの?」
『んっとねー、最初からいないことになってるよ!』
「あー、うんそっか。」
うん、ダメージがすごい、グサっと刺さった。
でもソラの発言が、そのまま答えになっていると理解した。
どんな力が働いているのか不明だが、本来私はこちらの世界で生まれるべきであったが地球上で生まれてしまったので、無事(と言えるか分からないけど)戻って来た私達の存在は、最初から地球上では居なかった事になっているのだろう。
……寂しさはあるけれど、向こうの心配は要らない。
さて、色々分かってきたし、取り敢えずこの辺りを散策してみようかな。
二匹ともキラキラした目で見てくるし。
「よし、お散歩行こっか。リードとか無いけど、ねぇねの近くから離れちゃダメだよー。」
『うん。』
『はーい!』
私達が地球から転移してきた場所は植物は多いがひらけた場所なので、何がいるか分からないけど、獲物として狙われる確率が上がってしまう。
家は建て易いだろうけど、水辺も無いし、あまり良いとは言えないかな。
私達が過ごせるような小さな家が建つくらいの広さで、目隠しになる且つ食糧になりそうなものが多い場所があれば、多少は過ごしやすくなるだろう。
近くに小川とかがあれば直良し。
元居た場所に一応目印をサッとつけて、適当にのんびり歩き出した。
『ねぇね、地球にいたときとちがう。』
「違う?何が違うのかな?」
『ねぇねのおめめ、むらさき!』
『かみのけもきれい。きらきらしてる。』
見た目が変わった?
あれかな、こっちの世界での本来の姿になっているとか、そう言う事かな。正確には戻った、と言うべき?
だからこの子達も、元の姿に戻ったのだろうか。
鏡は無いし、水面とかに映れば確認出来そうだけど、今の所見つかっていない。
やっぱり水はどのみち必要だし、探してみよう。
それに、人の気配は無いから、道中で魔法とかスキルとか試せそう。
こういうのって、見られたら危険とかあったりするからね。
私は戻って来たとは言えこっちの世界について何も知らないし、暫くはこの子達に色々教えてもらおう。