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そんなやり取りをしつつ、一度コテージに戻った。天気も良いので毛皮のなめしをしたくて、昼食を取ってコテージの裏手で解体から始めた。
小型の魔物はその場で解体していたけれど、大型の魔物はそのまま保管していた。クエストで狩った魔物も増えたし、そろそろ処理しておきたいと思っていたのだ。
「……俺とルルー以外全員解体できるのか。」
「まあイルリスの森で暫く暮らしていたからね。」
「しかも魔法で……。」
「ナイフとかだと腕力必要だし、この子達もいるから、刃物危ないからね。寧ろ汎用魔法の方が楽だよ。」
「魔法の暴発……はしないか。」
「その辺りはリラとソラに徹底的に叩き込まれたからね。」
「成程、納得した。それなら心配ないな。」
解体をしている間、アスターとそんな会話をしていた。
魔力が高ければ高いほど、コントロールが難しくなる。制御しきれなくて魔法の暴発や体内で不調をもたらすなど、よくある事だとか。なので魔力が多いと分かったら、直ぐに魔力の制御とコントロール方法を徹底的に叩き込まれるそうだ。
魔力が低いとコントロールしやすいので、ある程度訓練すれば問題ないそうで、汎用魔法を覚えやすいらしい。
アスターも解体を覚えると言ったけど、私達はナイフで解体は出来ないのだ。なので毛皮のなめし方を教えることにして、この場はリラとソラに任せて私はフローラと話をすることにした。
反省会、とまではいかないけど、フローラの力がどんなものなのか知っておきたい。
「フローラ、今日はよく頑張ったね。」
『シアねぇありがとー!』
褒めて褒めて、と甘えてくるので、抱っこしながらめいいっぱい褒める。大事なことだからね。
普段はリラとソラと接することが多くて、フローラはルルーと一緒だ。フローラはまだ子どもだし体も小さいけれど、神獣の一角に変わりはない。だから極力人目につくことを避けたかった。
でも結果的に、フローラと接する時間はコテージの中にいる時くらいで、寂しい思いをさせてしまっていたのだろう。
暫くよしよし、と構い倒し、フローラが満足したところで、色々と聞いてみようかな。