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買取カウンターで素材買取依頼をすると、また個室に通された。
大型の魔物はソラがメインで倒し、小型の魔物は訓練の一環として私が倒すようにしていた。回収していた魔石もあり、今回は余剰分を売ることにした。
大型の魔物が3体、小型の魔物が18体、魔石は各属性2個ずつ全部で8個。アスターはリラから私の訓練にしているので手出しはしないよう言われているらしく、ソラと私で殆ど倒していた。
「傷も殆ど無く、綺麗ですね。魔石もとても良い状態です。大型が合計白金貨3枚、小型が合計金貨60枚、魔石は大きいものは1つ白金貨1枚、小さいものは1つ金貨10枚で買い取ります。」
銅貨1枚が1ペタル、銀貨1枚は銅貨10枚で10ペタル、金貨からは価値が上がり、金貨1枚は銀貨100枚で1000ペタル、白金貨1枚は金貨100枚で100000ペタル。
魔物が合計36万ペタルで、魔石は各属性大小1つずつあって合計44万ペタル、総額80万ペタルになる。日本円に換算すれば、800万円……!?
しかも、今回出したのは今まで狩っていた魔物の一部で、大型の魔物はあと2体しか無いが、それでもまだ残している方が多い。魔石は大きいものを一旦全て買い取ってもらったが、小さいものが沢山あるので暫く困ることは無いだろう。
「相場より高いな。慧眼使ってみろ。」
隣にいるアスターが、耳元でボソッと呟いた。
慧眼で視てみると、成程、こういう時にも使えるのね。
今の魔物の状態や相場の査定額など、魔物と対峙した時に視た内容と変わっていた。慧眼は今の状態で出てくるようだ。それなら今後こういう時も使っていこう。
ブロッサムの準備も出来たらしく、まとめて受け取る。やった、身分証もお金も無事確保できた。
折角ならクエスト確認して受けてみようか、とアスターに提案されたので、クエストカウンターに寄ることにした。
クエストカウンターには、先程ブロッサムの発行手続きの時に対応してくれたスタッフさんが居た。良かった、事情を知っている人が対応してくれるのは安心感ある。
「カウンターまでは一緒に行くから、1人で受けてみようか。」
「はい。頑張ります。」
スタッフさんは和かに対応してくれた。提示されたクエストは3つで、どれもブロッサムが上がったばかりの人向けで、比較的簡単で安全性の高いものだった。
内容は討伐と素材回収で、私が倒した事がある小型魔物5体が対象だ。期間は2日後の日没まで。場所も今コテージで宿泊中の所から近い。
まずは一つだけにするよう言われているので、このクエストを受ける事にした。
クエスト受注同意書にサインをして、ブロッサムを渡す。紙が小さくなって小瓶に入れられ、これまた小さな砂時計と一緒に、ブロッサムのチェーンに付けられ返された。
「小瓶と砂時計はクエスト終了後に回収いたしますので、無くさないよう気をつけてくださいね。砂時計は魔法により正確な時間を刻む仕組みになっており、砂が落ち切るとクエストの期間終了になってしまいます。期限が近くなると砂の色が変わりますので目安にしてください。砂が落ち切る前にクエストを終えて、クエストカウンターでご報告をお願いいたします。アスター様はお詳しいですから、何かありましたらご質問してみてください。」
「分かりました。」
成程、砂時計できちんと期限が分かるのね。しかもとっても分かりやすい。
無事にクエスト受注を終えてアスターに報告すると、頭を撫でられた。めちゃくちゃ子供扱いされてない?
「今日は帰ってゆっくり休んで、明日クエストに向かうぞ。この内容ならすぐ終えられるさ。」
「分かった。」