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「うむ、どうしたものか……。」
翌日、メリを訪れると人はまばらで直ぐに手続きを始められた。その場で手続きをするのかと思ったら個室に案内され、現在魔力測定中、なのだけれど。
最初はスタッフさんだけだったのだが、アスターは責任者を呼ぶように伝え、今はスタッフさんとここのメリの責任者さんもいる。
魔力測定の道具だという水晶玉に手をかざした瞬間、バリンと音を立てて割れた。
静まり返る室内に責任者さんの呟きが響き、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「も、申し訳ありません。」
勢いよく頭を下げる。私にできる事は謝罪くらいだから。
と思ったら、穏やかに微笑まれる。
「いや、構わないよ。それだけ魔力があるのだろう。測定結果としては問題ないさ。」
「まさか、生きている間にこれだけ魔力のある方に出逢えるとは思いませんでした。」
和かに笑って話しているけど、それで良いの?
アスターを見ると、何故か遠い目をしていた。
「やっぱりこうなったか。」
「やっぱり?」
「実は、俺がブロッサム昇格になる時に別のメリで測定したのだが、その時に今と同じ状況になったんだ。その時の話がどうやら国境を超えて冒険家達とメリの職員に広まったらしい。」
「えぇ……。」
個人情報保護とか守秘義務はないの?
これ私の話も広まっちゃうよ?
「アスター殿の時は個室ではなくその場で測定したから、直ぐに広まってしまったと聞いている。だから今回は個室を希望するとアスター殿に言われたのでな。」
「ユリシア様の力が直ぐに気付かれないようにと、アスター様のご意向ですよ。」
「昇格時に大変な目に遭ったからな。ユリシアにそんな苦労をさせたくなかったんだ。」
隣に居るアスターを見つめると、珍しく笑って頭を撫でられた。
「まだまだ不安が大きいだろう?折角なら旅を楽しんでもらいたいからな。」
「……うん、ありがとう!」
お兄ちゃんがいたらこんな感じだったのかな。こういうの憧れていた。
上機嫌になった私は、目の前にいる二人に視線を戻した。
「さて、ブロッサムはどうするかね。この測定結果だとマスターで発行しなければならないが……。」
「せめて、プルからにしてもらえないだろうか。彼女の出自が訳ありなんだ。」
「そうなのですか、私はプルで発行して問題無いと思います。」
「分かった。ではユリシア殿のブロッサムはプルで発行しよう。測定結果はこちらでなんとかしてみるさ。」
「助かる。」
「お気遣いいただきありがとうございます。」
申し訳なさもあるけれど、良い人達に巡り会えて感謝しかない。




