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「見えてきたぞ。あれが森の出口だ。」


どうやら森の端まで進んでいたらしく、視線の先には木々は減ったもののまだ森が広がっている。

馬車であろう細いタイヤと蹄の跡があり、街道と呼ぶべきだろうか、ある程度整備されている道がある。つまり人の往来はあるのだ。


「ユリシアがこちらの世界に来てからは、初めて森を出るのだろう?」


「うん。ちょっと怖いな。」


率直な感想が出てきた。旅をすると決めたのは私だけど、やっぱり怖いものは仕方ない。


「仕方ないさ、ユリシアにとっては未知の世界だろう?暫くは俺と勉強しながら、ユリシアが元いた世界と此方との違いを見つけながら過ごしてみてはどうだ。」


確かに、アスターの言う通りだ。

なるようにしかならないし、世界の(ことわり)が異なるのだから、この世界について色々学んでみよう。


「そうだね、そうする。向こうではまず魔法なんてなかったし、違うものだらけだから。」


 さて、ここから村まではまだまだ距離があり、今のペースだとあともう一日はかかるとのこと。この先に大きな川があるのでそれを渡る必要がある。


 サーチのマッピングではイルリスの森が広すぎて村が近く感じていたけど、改めてサーチをすると確かにかなり離れていた。


 暫く進むと良さげな空き地を見つけ、コテージを出して今日は休む事にした。

急いでもいないから、のんびりしたペースだ。


「そういえば気になっていたんだけど、アスターに見せてもらった地図には街が無いんだよね。街って無いの?」


「まちとは何だ?」


あれ、通じていない。


「えっと、村より大きくて王都より小さいって言えばいいのかな。」


語彙力なくてごめんなさい。でもこっちの世界に合わせたらこうなったのは理解してほしい。

試しに適当な国を紙に描き、村と街、中心となる王都を追加する。規模を分かりやすくなるよう差を出して描いてみたが、アスターは分からなかった。


『あのね、この世界に街っていう概念そのものが無いの。だからあるのは国の中心地が都で、それ以外の集落は広さとか規模に関係無く村なんだよ。』


「え、そうなの?」


リラちゃん助けてくれてありがとう!そうなんだ。


 リラの話を聞いてもよく分かっていないアスターはスルーしよう。私説明出来ないと思う。

とそんな事を考えていたらリラに伝わったらしく、アスターに説明してくれた。うわ私不甲斐ない。本当にありがとう。

因みにソラとフローラは二匹で遊んでいた。どうやらリラとソラの間で役割が決まっているみたい。リラは私やアスターの話し相手でソラはフローラの子守りのようだ。


 それからまた文字と公用語を教わり、何故かマナーレッスンが始まった。一応貴族の所作を身につけておけ、とのアスターからの意見だが恐ろしくスパルタだ。因みに講師はアスターとリラちゃんで駄目な時はリラに蹴り飛ばされた。めっちゃ痛い。

 痛い思いをしつつリラからは治癒魔法の練習も出来るね、なんて言われた。悪意がないのが怖すぎる。私がマナーが身につくまで続くそうなので、死ぬ気で叩き込んで早くレッスンが終わるよう頑張ろう。

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