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2/23 ストーリーの追記を行いました。
それからまた魔物を倒しながら採取しつつ進んでいく。
「あ、これ見た事ない植物かも。」
慧眼で確認する。うん、レベルも高いし本当便利。
・名称 メディシーフラワー
・生息地 自然の多い所、神獣の好む場所
・見た目 イブニングスターのような花を咲かせ、筋が青白く輝いている。
・体力と魔力を回復する。調合すれば特殊ポーションが作れる。花びらには解毒作用がありどんな毒でも解毒可能な薬としても使用可能。食用草。
「これはかなり貴重なんだ。人の手で育てる事が困難でただ自然がある場所でも根付かないからほぼ入手できない。この辺りに自生しているとは聞いたことがあるが、見られるとは思わなかったな。」
「そんなに貴重なんだ。……採取しても良い?」
「構わないさ。この辺りもまだ人が入るような場所ではないからな。」
「そうなんだ、良かった。」
慧眼で採取方法まで分かるようになったので、図鑑に登録して採取する。近くでよく見ると花びらと葉の筋が輝いており、これが魔力が高い証拠だと言う。
後で調合してみよう。
また暫く進むと開けた場所に出た。暗くなり始めているし、今日は此処までかな。
サーチで確認すると、ゆっくり進んでいるからかそこまで進んではいなかった。ただ、景色は変わっているし、最初にこの世界に来た場所も通り過ぎているし、こんなところでしょう。
「今日は此処でいっか。コテージ出すね。」
「ああ。」
バッグからコテージを出して中に入る。夕食とお風呂を済ませ、団欒……と言うわけではなく、ずっと疑問に思っていたことをアスターに話した。
「ねえ、アスター。私はこの世界に来てからも、彼方の世界で使っていた言語を話しているの。でもアスターには初めから通じていた。どう言うことなのか、アスターは分かる?」
「……俺も、それについてユリシアに説明しようと思っていたところだ。」
「え……。」
何か知っている?どう言うことなの。
「先ず、前提として、この世界は公用語……意味は分かっているようだな。があるが、各国の主要言語が異なるんだ。言わば国内では主要言語、外交時には公用語を話している。ユリシアの言語は俺が生まれ育った国で使われている言語と同じだが、文字は違う。ユリシアの図鑑を見せてもらっただろう?俺は少なくとも教養で覚えているものでもないし旅をしていても見たことのない文字だった。つまり、文字は違えど話す言葉においては同じものだから、俺もユリシアも、お互いに理解できていた。」
「成程。」
私がこちらに来てからも、使用していた言語は日本語だが、文字は違えど発音も意味もアスターの出身国と同じもの。
こちらの世界の公用語ではない。
つまり、それが何を意味するのか何となく分かった。
「私が本来産まれるべき場所は、アスターと同じ国だったのね。」
「そう言う事だ。」
もしもアスターに出逢う事なく旅を始め、出身地を誤魔化せたとしても言語で躓いていたら、苦労していたかも知れない。
公用語があっても、国によって主要言語が異なる世界なら尚更だ。
取り急ぎ文字と公用語をアスターに教えてもらうことになった。