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一部ルビの追加と、漢字からひらがなに変更しました。(本文の内容は変更ありません。)

『ねぇね、おはよー!』


「ゔっ……。おはよう、ソラ。ねぇね苦しいからそれはやめようね。」


『はーい!』


朝から元気いっぱいのソラは、微睡んでいた私に勢い良く、ドスッと音がするくらいの突進を繰り出した。クリティカルヒットしたんだけど。朝からこれはきっついな。

そしてすぐ隣で騒がしいのに、未だにプープーと寝息を立てて眠るリラはすごい。


眠るリラに気が付き、『リラも起きて!』と声を掛けているソラ。リラに対しては声は少し落ち着かせて、軽く身体を揺らす程度だ。ねぇね泣いちゃうよ?

リラに対して私と同じように起こせば、自分の身に何が起こるかソラはよく理解しているようね。容赦無く怒られるから恐いのだろう。


リラも目を覚まし、仲良く朝食を取った後はリラとソラによる魔法のレッスンだ。


こちらの世界に来て約3週間、魔力の扱いに慣れてきた私は、リラからは防御系の戦闘魔法と汎用魔法を、ソラからは攻撃系の戦闘魔法を学んでいる。


ステータスと得意分野で其々(それぞれ)分けている。リラは後衛、ソラは前衛だ。私は暫くサポートとして動くのでそれに合わせて魔法を学んでいる。特に治癒が使えるようになってからは、治癒や浄化等の癒すようなサポート系の魔法の習得に勤しんでいた。


本来なら、治癒や浄化は限られた人しか使えないそうだけど、私の能力なら充分扱えるとの事で、リラや白虎の見解が一致していた。


『ねぇね、魔法の扱い上手になったね。』


『うん!探索いっぱいしたから戦闘も大丈夫だと思う!』


「良かった。君達のおかげね、ありがとう。」

 

二匹は念話で話しているので、側から見たら楽しそうに吠えている小型犬二匹と話しかけている女にしか見えない可笑(おか)しな光景だろう。


それが何だというの。この子達との大切なコミュニケーションなのだ。


おいでー、と言って腕を広げると、勢い良く飛びつくソラと、トコトコと歩いてしがみ付くリラ。

こんな所でも差があるのは、この子達の個性で見ていてとても楽しい。


「それにしても、この森は本当に広いのね。人が居そうな辺りには近付いていないけど、それでもまだまだ距離があるみたいだから。」


『うん。外に出るなら途中で泊まる方が良いと思うよ。』


この世界の移動手段は、馬か馬車若しくは魔法で速度を上げるくらいらしい。だから時間も掛かるので、この森は広すぎて私達の拠点辺りには人が来ないそう。


「そうなの。やっぱりそれくらいの広さがあるのね。」


そう考えると、地球の移動手段は素晴らしいね。世界どころか宇宙まで行けてしまうのだから。


私は創造で乗り物を作り出し、風魔法を付与して使っている。ハンドルとシートに風属性の魔石を取り付けただけの簡易的なものだけど、これが魔力のコントロール練習にうってつけだった。


『ユリシアは面白いものを作るのだな。』


「そう?」


そう、今日の探索には白虎親子も同行していた。そろそろ旅に出ても良いかなと思い白虎に連絡すると、一度探索に同行したいと言われたのだ。


『シアねぇすごいね!』


「あら本当?ありがとうね。」


白虎のお嬢様に褒められて、私は上機嫌だ。この子めちゃくちゃ可愛いのよね。因みに呼び方は何でも良いよ、と言ったら、『じゃあシアねぇってよぶ!』と元気良くお返事をした。ユリシア、という発音が少々難しいらしい。念話だよね?という意見は受け付けません。


折角なら泊まっていく?と提案すれば、白虎親子は喜んで泊まると言った。明日は白虎も居るのでそのまま今後の予定の会議をするのだ。因みに白虎はうちのお風呂がお気に召したようで、皆んなで楽しそうに入っていました。

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