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「毛皮は防寒対策に役立つよね。骨とかは……使い道あるかな?別々にして保管しておこう。」
脚の付け根辺りから風魔法で皮を剥ぎ、そのまま水を張った器に浸してみる。汚れが落ちているので、一旦そのまま晒しておくことにした。
『ねぇね、僕もやりたい!』
「そう?それなら脚の辺りをやってもらおうかな。」
ソラはわーい!と楽しそうに勢い良く切り落としていき、あっという間に脚を落とした。
何よりめちゃくちゃ綺麗に切ってある。
私も見様見真似で解体し、何とかばらし終えた。
『ねぇね、きもは食べる?』
「肝は私食べないかな。ソラとリラは食べるの?」
『んー、こっちにいた頃は食べてた事もあったけど、美味しくないヤツ食べちゃってからは好きじゃなーい!』
『私はきも嫌いだったよ。』
「そうなのね。それなら処分で良いかな。」
元々私はお腹が弱かったし、皆んな食べないなら使い道を思い付くまでは燃やして……それか、炭みたいな燃料になるかな?
試しに燃やしてみると、想像通り炭になった。このまま使えるか確かめる為に、威力を調節して再度炎魔法を唱える。
すると、良い感じに火種となって燃え始めた。
「うん、良い炭になったね。これなら捨てずに使えそう。」
『そっかー!コイツは炎属性の魔物だから、こういう感じもできるんだね!』
「そっか、そういう原理なのかもしれないね。」
これは中々に面白い発見をしたかな。
解体も終わったので、なめし中の器を見てみると、汚れが沢山出ていた。さっき何となくでできてしまった浄化を使いながら水を綺麗にしていく。
『わあ、ねぇねは規格外だね!』
「……君がそれを言うのかい?」
多分、先程浄化ができた時に、二匹に言われた事を気にしていた事を読み取ったのかな。
余計な事を覚えてしまっている気がする。
「お水も綺麗になったし、何度か洗ったら綺麗になるかな?」
『ねぇね、僕この毛皮綺麗にする!』
『私もお手伝いする。』
「あら、それならお任せしようかな。」
リラとソラはそのまま器に脚を入れ、毛皮を踏み出した。二匹流の洗濯みたい。
『ねぇね、これ楽しい!』
「そう?それなら良かった。今後も君たちにお願いするね。」
うん!と二匹が元気良く返事をすると、またふみふみ、と足踏みをして汚れを落としている。
「解体したお肉とかは、地下に倉庫を造ってそのまま保存しようかな。」
解体した肉類や骨は一度バッグに収納する。このまま地下に持って行き、拡張して倉庫を造れば他にも素材とか仕舞えるからね。
器の水を綺麗にしつつ、二匹には毛皮を踏み続けてもらう。暫くすると水が綺麗なままになり、殆ど汚れは落ちたようだ。
「綺麗になってきたから、一回干しておこうね。」
『うん。』
『はーい!』
あちらの自宅で使っていた物干し竿を創造で作って毛皮を掛ける。取り敢えず一旦干して乾かしてみる事にした。
「これで暫く置いておこう。」
取り敢えずこれで良いかな。乾くまで様子見といったところね。
そしてそのまま一晩放置した結果、中々良い具合になっていた。
「やった、成功した!」
『あったかーい。』
『これなら寒くないね!』
二匹もお気に召したようなので、これはリラとソラのベッド兼毛布にしよう。
それから同じような日常を繰り返し、魔法を二匹に習って探索を進めた。