15
一部ルビを追加しました。(本文の内容は変更ありません。)
「じゃあ、まずは索敵からやってみよう。」
サーチ、と唱えてマップを出現させ、二匹も見やすいように拡大する。
よく見たら、私達が向いている方向に矢印が付いている。とっても有難い。
『この辺りは魔物が棲みやすい環境になっているから、数も多くてよくギルド所属の冒険者達が討伐に来ているよ。』
『人間が住む街とか村が近いから、ギルドの支部もあるし、この辺りは人の出入りは多いよ!』
「そうなのね。そしたら今日はこのコテージの近くを一周する感じで探索しようかな。人には会わないと思うけど、魔物は居るみたいだからね。」
一度村側の方へ少し歩いて、そこからコテージを中心にしてぐるっと時計回りに一周しよう。
目印に細いリボンを木の枝に結んで起点を作り、サーチのマップは出したまま歩き始める。
「この辺りは木が多いゾーンなのかな。」
『外側の方がお花と草が多いよ。』
『昨日ねぇねが慧眼で最初にみたクラルー草は、この森全体にあるけど、村に近い方が多いかな?だから村人とかはあまり奥まで来ないし、冒険者も採取だけならこっちまで来ないよ!』
「そうなのね。まあ、この辺りから魔物が多くなっているみたいだし、近くで済むならそうするよね。わざわざ危険を冒してまで奥には来たくないだろうし。」
『この森には今私達が居るくらいかな。他に人とかの気配もしないよ。』
『あとはー、少し魔物が居るくらい!でも強い気配はないから、弱いやつばっかりかな!』
『ねぇねも訓練すれば、気配が分かるようになるかな。』
「本当?」
『んっとねー、自分の魔力を少しだけ身体全体に纏わせて、さぁーって広げる!』
「えーっと……。」
ソラが説明してくれるが、イマイチ分からない。
リラが『それじゃねぇねが分からないでしょ。』と半ば呆れたような表情で言い放つと、ソラはクゥンとひと鳴きして『ねぇねごめんね。』と謝った。
「ううん、大丈夫よ。私も理解出来なくてごめんね。リラの方が言語理解が早いのは仕方ないもの。それに、元気いっぱいにお話ししてくれるのはソラの個性だから、私は好きだよ。ありがとう。」
そう言ってしゃがみ込み、ソラの頭を撫で撫ですると、リラから『私も……。』という声が聞こえて来そうな、よく実家で見ていた甘え方をしてきた。
「勿論、リラのしっかりした話し方は、この世界に帰って来たばかりの私は沢山助けられているよ。いつもありがとうね。」
『うん。』
そう言いながらリラも撫で撫で。うん、この子達安定に可愛いね。
「んー、ソラの言う事って、こう言う事かな?」
私は魔法の訓練も兼ねて、ソラの説明を実際に表現してみようと、水魔法を使って人の形をした水の塊を出す。
「これが私だとして、こんな感じかなって思ったんだけど、どうかな?」
水の人形の周りに、分かりやすいように色を付けた水の膜を薄く纏わせ、以前親戚の結婚式で見たドレスとヴェールを思い浮かべ、円形に広げた。




