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一部漢字からひらがなに変更しました。(本文の内容は変更ありません。)
「今日は拠点の近くを中心に探索しようかな。この辺りは生き物も居るみたいだし、どんな生き物がいるのか見てみたいからね。それに、他にも植物とか、此処がどういう場所なのか知っておきたいな。」
コミュ障で人と関わることが苦手だった私は、友達も全然いなかった。寧ろ歳を重ねるにつれ、無駄に人と関わらない方がストレスにならないと考えるようになり、交友関係は何でも話せる友人一人と仕事関係の最小限の人しか居なかった。
こちらの世界に来ても、今のところその考え方は変わらない。スキルもあるし、お金以外なら大体のことはスキルや魔法で何とかなるだろう。だから街を目指すとかはあまり考えていなかった。
魔法とかスキル等は地球上には存在しなかった。だから頭でも理解した方が良いとは思うけど、そういう理論的な話は、人と関わる必要性が出て来たら学べば良いかな。リラとソラのお陰で魔法やスキルが使用可能になったので、取り敢えずはそれで構わない。
正直、人と接する事が怖いのだ。ましてや此処はリラやソラが本来私が生まれるべき世界だったと言っても、私にとっては異世界で理も全く違うから、いくら憧れがあったとはいっても、いざ自分がそうなると楽しみもあるけど怖いものは怖い。
だから今は自分達の生活環境を整える方が優先なので、闇雲にうろつくよりかは周辺に気を配るようにしたい。
この子達が何処まで理解出来るか分からないけど、自分の考えを話した。
『んー、僕は人間が住むくに?街だっけ?を探すのかなって思ってた。人間は一緒に暮らした方がいいのかなーって、ねぇねたちはおうちを離れちゃったけど、パパとママとじぃじも一緒に暮らしてたから。』
それが、“かぞく”って言うんだよね。
ソラの言葉が、重くのしかかる。
私は高校卒業と同時に一人暮らしを始めていたが、元々祖父母以外の家族と良い関係では無かった為、卒業後早々に実家を出た。
だから、ソラの言葉に、何も反応出来なかった。
そんな私の様子を静観していたリラが、静かに言った。
『ねぇね、私とは家族じゃないの?ソラは?』
「リラちゃん……。」
そうだ、ソラは私が実家を出た後に迎えられたけど、リラはまだ私が高校生で実家に居る時に来たのだ。
今の私にとって、この子達が私の家族なんだ。
『ねぇね、僕とリラも家族?』
「……うん、そうだね、私達は家族だね。」
おいで、と腕を広げると、二匹が駆け寄り飛び込んできて、勢い良すぎてそのまま地面にゴロンと転がる。
胴体に乗った二匹をよしよし、と撫で回し、二匹はギューっとしがみ付く(人間だったら思い切り抱き付いているような)。
パグ特有の毛並みも好きだけど、このもふもふも癒される。
今夜からこうして寝ようかな、すごく暖かい。
『ねぇねあったかーい!』
『ぽかぽか〜。』
「あったかいねぇ。」
二匹揃ってエヘヘーと笑っている。うん、可愛いし本当癒し。
でもいつまでもこうしているわけにもいかない。