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一部漢字からひらがなに変更しました。(本文の内容は変更ありません。)
朝、と言っていいのか分からないけど、空が明るくなったので起きると、リラがモゾモゾと動き出した。
『ねぇね、おはよう。』
「おはよう、リラ。」
リラはグイーッと伸びをするとベッドから降りて、此方を見つめてきた。
「お腹空いたね。ご飯にしよっか。下で準備しているから、ちょっと待ってね。」
『はーい。』
ソラはまだ起きる気配が無く、ぷーぷーと寝息を立てながら眠っている。
この子達の寝息を聞いていると、癒し効果なのか眠くなる。
この子達に癒されたくて実家に帰った時も、日向ぼっこしながら皆んなの寝息を聞いていると、いつの間にか寝落ちしてたなんてザラにあるからね。
取り敢えずソラはそのまま寝かせて、リラの頭をひと撫でして下へ降り、顔と手を洗ってご飯の支度を始めた。
水は近くの小川から引いているので困らないし、下水処理も地下に設備を作り魔石を川から幾つか貰い、リラから教わったクリーンと言う汎用魔法と焼却の魔法を設備そのものにかけたので、処理したものを燃料にしている。環境に優しく、大事な事だから。
探索中に見つけた木の実と、地球にあった果物類に良く似た果実が沢山採れたので、昨晩に引き続きそれを食べる事にした。洗って水気を切って創造で作った木の器に盛り付けた、簡単なアサイーボウルもどきの出来上がり。
因みに、リラとソラはこちらの世界に来てから(二匹からしたら戻って来たかな)、元の姿に戻っているので食べる物は動植物なら割と何でも食べられるらしい。でも虫系はそもそも食べないし、苦手な物もそれぞれあるって言ってたよね。
「リラちゃん、ソラくん、ごはん出来たから下に行って食べよっか。」
『うん。』
『ねぇね、おはよー!』
「おはよう。」
ソラは私の声で目が覚めたらしい。
リラと全く同じように伸びをして、数回お目目をぱちぱち。あらまぁ可愛らしい。
リラの寝相は意外と豪快でお腹を出していたりするが、反対にソラは丸まっており猫っぽいけどこれが可愛いのだ。
「ご飯食べようか。」
「ごはーん!お腹すいた!」
「もう出来てるから下に行こうね。」
「はーい!」
二匹は昨日こちらの世界へ来てからも、地に足つけて歩いていたし、階段も登っていた。
だから知らなかったのだ、飛べるだなんて。
「……わお。」
まともなリアクションではないのは理解して欲しい。
『ごはんー!』
『ねぇね、ご飯食べよう。』
「あ、うん、そうだね。」
……飛べるなら、二匹用に設置した柵とか要らなさそう、逆に下手に柵がある方が危険かな。後で改良するかいっそのこと取り払ってしまおう。
のんびりと食事の時間を過ごして、ティータイムがてら外に出て話し合い。