表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/73

第43話 遅刻の確定

遅刻確定である朝の時間。

教室ではすでにHRが始まっていた。


平然とした顔で、

後ろの出入り口から2人は

静かに教室に入った。


「なんだ、なんだ?珍しい組み合わせだな。

 堂々と遅刻だけども…。まあ、いいや。

 漆島と綾瀬ね。すぐに席座って。」


 担当の先生は、

 特に強く指摘することもなく

 さっぱりとした対応だった。

 雪はホッと一息ついて、

 桜は次の授業の教科書を出して

 気持ちを落ち着かせていた。


 隣にいた菊地雄哉は

 特に気にする素ぶりも見せず

 いつも通り、教壇に立つ担任を見ていた。



 雪や桜のことは見向きもしない。

 


 もしかしたら、想像以上に

 考えすぎていたのかもしれない。


 雪は右手で左肩をぽりぽりとかき、

 何だか考えすぎていた自分は

 おかしかったかなと改めた。


 外の空を見ると青空が広がっていた。

 心が晴れやかになった。


 桜もほっと安心して、教科書を出して

 授業の準備をした。




****


 その頃の亮輔は、ベッドの上、

 額に熱さまシートをつけて

 体温計を脇に挟んでくしゃみを

 連発していた。


「ちくしょー。

 誰か俺の噂してんのかな。」

 

 鼻水がずるずると流れていた。

 ティッシュを鼻にあてて

 ずずーと拭った。

 ベッドからゴミ箱に

 ぽいっと入れようとしたが、

 入らなかった。


「今日は全然ついてないな。」


 ゴミ箱に入れて直して、

 またふとんを頭からかけて横になった。


 トラックが近所を走っていた。

 ガタガタと振動が響いている。




 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ