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六月十七日

感想を楽しみにしています。

 今日は六月十七日。

 

 今日連絡帳を書くときに、私の、恋い慕う人が教えてくれました。

 

 彼が教えてくれた日付だと思うと、今日という日が記念になるんです。


 


 彼の名前は璃空君っていいます。

 

 璃空君は結構優しいんです。

 

 黙っていると無愛想に見えるけど、聞いたことにはきちんと答えを返してくれるし、今日、私がノートをいっぱい持って廊下を歩いていた時は手伝ってくれました。


 きっと璃空君は気にも止めていないのだろうけど、私はそれがとってもうれしくて、「ありがとう」っていう言葉に「好きです」って言葉を載せてしまうんです。

 



 私は数学が好きじゃありません。

 

 でも、今日気付いてしまいました。

 

 私は、数学が好きになるかもしれないと!

 

 私の成績は大体学年で2~3番ぐらいをうろうろしています。


 学年、といっても全員で20人ぐらいなのでそんなすごいわけでもありません。

 

 それでも、1番になれたことはありません。

 

 クラスに、ものすごく頭のいい人がいるからです。

 

 地頭がいいのもあるのだろうけど、きっととても努力しているんだろうなあ、と思います。

 

 それに、私自身勉強があまり好きではなくて勉強に対する努力もしていないのです。


 能力の差というより、努力の差といったほうがいいのかもしれません。


 おっとすみません、話がそれましたね。

 

 それで、何故私が数学を好きになれそうなのかといいますと、私と璃空君の席はとっても近いので私が璃空君に解けた問題を教えるという名目で近くに行けるからです。


 私と璃空君の席は前後で、璃空君が数学の時間に振り向いてくれるのが私には、どうにもうれしいのです。


 少し近くに寄っただけでもものすごくどきどきして、「好き」って言わないようにしないといけないのです。


 ああ、もうなんでこんなに恋心って儘ならないんだろう!




 璃空君は野球部に入っています。


 私は卓球部です。


 璃空君はグラウンドで練習、私は体育館です。


 換気のために開けた窓から璃空君の姿がちらりと目に入り、きゅんとします。


 でも、次の瞬間には卓球台に集中して球を打たなくてはいけません。


 何しろ練習中ですから。


 休憩時間になると、涼を取るふりをして真っ先に窓のそばに行きます。


 遠目ですが、しっかりと姿が見えて、あああああ、やっぱりかっこいい!!!、となります。


 友達に何みよるん? と聞かれたら、雲、と答えます。


 わざわざ窓の近くに行ってまで野球部のことみてる、なんて言ってら絶対バレます。


 私はまだ、弟以外の誰にもこの気持ちを打ち明けていないのに。


 それに、雲だって視界に入らないわけじゃあないんです。


 視界に入ったそばからシャットアウトしてますけども。


 


 私の親友をいいな、うらやましいな、と思う時があるんです。

 

 その子の名前は果穂ちゃんっていうんですけど、その子と璃空君の誕生日が一緒なんです。


 だからか、璃空君と仲いいんだなあ、と思うこともたくさんあります。


 果穂ちゃんのおかげで璃空君と話せるって時がたくさんあるんですけど、そういう時には決まって、「ありがたい」より先に「うらやましい」が浮かんでしまう私はやっぱり友達甲斐のない友達だろうなあ、と思います。


 でも、果穂ちゃんのことは大好きなんです。


 だからこそ自分のことが嫌だなあ、と思ってしまうんです。


 自分の恋愛面での劣等感がいつか爆発して、果穂ちゃんや璃空君に嫌われたらどうしよう。


 そんな心配が私の中にあります。


 果穂ちゃんも、璃空君も、大好きだからこそ色々考えてしまうんです。


 恋をすると、漫画の中みたいです。


ふわふわして、わくわくして、どきどきします。


こういう日は、魔法の言葉があります。


それは、


『今日もいい一日でした。』

感想に質問を載せてくれれば、可能な限り答えます。

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