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ひよこ、回復ポーションを増産する!




 回復ポーションを試しに自分で飲んでみようとしたらみんなに止められた。飲むと若返るんだから、ヒヨコが飲んだら卵に戻っちゃう! って。

 ヒヨコ、卵から生まれたんじゃないんだけどって言っても誰も聞く耳を持ってくれなかった。だけど、ポーションを一定以上薄めて飲むと若返りまではしないということが分かったので、ヒヨコも無事にポーションを使うことが出来た。

 そしてこのポーション、怪我だけでなく魔力や体力も回復できる優れものだったらしい。さすがヒヨコ。

 その効果は、私がこっそりと進めていた計画にはうってつけのものだった。


 よし、最初の発注分のポーションを仕上げたら計画を進めるぞ!

 ―――と意気込んだのも束の間。


「……ぴ?」


 依頼されたポーションの数を見て、私はぴよ? っと首を傾げた。いち、じゅー、ひゃく、せん……。多くない?


「おおくない?」

「万が一のための貯蔵分も入ってるからな。ヒヨコのポーションは薄めても十分効果があるし、今後はこれよりもたくさん作ってもらうことはないと思う」


 今までのポーションの価値が下がらないように、市場には数を絞りに絞って出すそう。だからポーション作りはゆっくりヒヨコペースで構わないとのことだった。

 そんなこと言われたらちゃちゃっとポーション作ってビックリさせたくなっちゃうよね。

 「もう出来たのか!」 とビックリする魔王の顔が目に浮かぶ。材料は騎士団が集めてきてくれたみたいだし、ヒヨコってば早速がんばっちゃうよ!!!

 ぴぴ! っと気合を入れ、私はポーション作りに取り掛かった。




***




「お~わ~ら~な~い~」


 仰向けで地面に寝っ転がる。数が多すぎて全然ポーション作り終わらない。つかれた。あきた。


「ゆっくりでいいって言われたんだからゆっくりやればいいじゃないですか」

「ちっちっち、ひよこはびっくりさせたいんだよ」


 シュヴァルツは分かってないな~。

 私がそう言うと、シュヴァルツは呆れたような顔をしつつも手元の本に視線を戻した。


「まあヒヨコがポーション作りに夢中になっていてくれると監視が楽でいいんですけど」

「ついにかんし(監視)っていったね」


 断言しちゃったよ。


「……」


 無視されたんですけど。都合の悪いことがあったら黙秘する汚い大人だ。


「ひよこちょっときゅうけいする。シュヴァルツおやつちょーだい」

「それがいいですね」


 休憩すると宣言しシュヴァルツの膝の上に飛び乗る。存分に監視させてあげましょう。


 おやつの食べカスを膝の上にボロボロこぼしたら怒られた。ぴぃ。




 結局、最初に発注された数の回復ポーションを作るのには丸二日かかってしまった。でも十分早い方だろう。

 できた分を差し出すと、魔王が目を丸くした。


「……もうできたのか?」

「ぴ!」


 ふふん、驚いてる。ヒヨコ頑張ったからね。


「すごいでしょ~」

「ああ、すごいな。ヒヨコは天才でがんばり屋さんだ」


 よちよちと頭を撫でられる。あ~、そこそこ。

 指に頭を擦りつけるといっぱい撫でてくれる。今日は出血大サービスだね。


 魔王にいっぱいいっぱい褒められてヒヨコうれし!

 この量が一気になくなるとは思えないし、とりあえずポーション作りは一段落だ。



 よし、これで計画に集中できるね!


 むんむんっとやる気満々の私をシュヴァルツが元気ですねぇ、とお年寄りみたいなことを言いながら眺めていた。












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