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ひよこ、ついにお茶会をひらく!





 ついにお茶会当日になった。

 天気は快晴だし、招待していたみんなも来てくれてヒヨコは嬉しい! ぴっぴぴっぴと小躍りしちゃう。

 お茶会はお庭で開くことにしたので、雨が降らなくて本当によかった。


 私の入れたお茶をゆっくりと味わっている魔王はもちろん一番乗りで来てくれた。さすが保護者。 

 魔王の他にも団長さんや三つ子、ゼビスさんとオルビスさんに料理長のおじちゃんまで勢揃いだ。よくみんなのスケジュール合ったよね。

 仲の悪いゼビスさんとオルビスさんを同じ席に呼ぶのはどうかな? と思ったけど、今日は二人とも喧嘩するのは我慢してくれるらしい、その代わり離れて座ってるけど。この二人にはいつか仲直りしてほしいなぁ。


「ヒヨコ、そなたも食べろ」

「ぴっ」


 私が全然食べてないと思ったのか、魔王が私の口にクッキーを放り込んだ。サクサクしておいしい。なんと、今回は料理長のおじちゃんがひよこサイズの小っちゃいクッキーを作ってくれたのだ。人間サイズのクッキーだと嘴に入りきらなくてボロボロこぼしちゃうからね。


「ヒヨコ、このお茶おいしいです」

「えへへ、ありがとうゼビスさん」


 ゼビスさんの言葉を皮切りに、他のみんなも次々に私のことを褒めてくれた。



 そして、第一回ヒヨコのお茶会は無事に幕を閉じた。

 みんな「ヒヨコがこんなことまでできるようになるなんて……」って感動してたけど、ヒヨコってばちょっと前まで立派に人間やってたからね? 最近、みんなヒヨコのことを生まれたてって勘違いしてない? って思うことがよくある。このかわいすぎるひよこフォルムが原因だとは思うんだけどね。


 でも、ただ紅茶をふるまっただけでみんながあんなに喜んでくれるとは思わなかった。心なしかお茶会の前よりも元気になってた気もするし―――。


「!」


 ぴこん! とアイデアが舞い降りてくる。

 ヒヨコってば、いいこと思いついた!!




***




「ねぇねぇシュヴァルツ、ちょっと寄り道してもいい?」

「はい、別にいいですよ」


 いつものお散歩の帰り道、せっかく外に出てるんだからと、ついでに用事を済まちゃうことにした。


「どこに行くんですか?」

「まあまあ」


 行先はぼやかしつつお目付け役を連行する。だって言ったら絶対止められちゃうもん。





 シュヴァルツがぐったりと魔王の部屋のソファーにもたれ掛かっている。若干グロッキーになってそうだ。


「―――このヒヨコ、信じられない……」


 シュヴァルツがぼやくと、魔王がこちらを見てきた。


「ヒヨコ、何をしたのかは知らないが、とりあえずシュヴァルツに謝っておけ」

「はーい。シュヴァルツごめんなさい」

「許しましょう。行先を聞かなかった私も悪かったですから」

「そなた達は一体どこに行ったんだ……」


 魔王のぼやきには無言で返す。私が内緒にしてって言ったからシュヴァルツも言わないでいてくれてる。

 お散歩のついでに今思いついたもののの素材を狩りにいったんだけど、それを先に言って失敗したら恥ずかしいから言わない。ちゃんと上手に出来上がったら”さぷらいず”で渡すのだ。


 私ってば、とっても粋なひよこだ。








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― 新着の感想 ―
[気になる点] 魔物か何かを狩って、食材にでもしたか…? 魔物肉のステーキとか? 魔族側の文化の違いで食べられない(食べてはいけない)ものとか、出さないといいが…? [一言] サプライズの中身は何だ…
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