エリザベスの真実
(エリザベス視点)
全てが丸く収まった今、これからは、自分の幸せを考えよう。
だって、私、ループ二回目なのよ。
前回は、思い余った姉が、アンドリューとの婚約破棄を勝手に申し出てしまった。
そのせいで、我が家は不敬罪に問われた。何とか死罪は免れたものの、財産は没収された。
私は後悔した。なぜ、姉の気持ちに気付かなかったのか。あんな行動に出るほど、思い詰めていたというのに。
使用人が全て去った後も、フェリスだけは、ずっと私たちの傍にいてくれた。正確には、姉の傍にいてくれた。姉を好きなのは、誰の目にも明らかだった。フェリスは有能だったから、家庭教師などをしながら、私たちの生活を支えてくれていたのだ。
数年後、街の片隅で細々と暮らしていたある日、噂を耳にした。隣国の者が、首元にフルール・ド・リスの痣のある青年を長年探していると。
私は、苦労して隣国の者と接触した。ようやくフェリスについての全貌が明らかなった。フェリスを隣国の陛下と会わせることができれば、道が開ける。と思っていた矢先、革命が起きた。
革命に巻き込まれた私は、気が付いたら、十六歳の自分に戻っていた。
姉は、まだアンドリューと婚約したままだった。
「悩んでいることがあるなら、相談して欲しい!」
私は、全力で、姉に悩みを打ち明けさせた。
その後は、計画通りに上手くいった。けれど、革命まで、あと三年。
このまま王太子妃となれば、革命の末に処刑されるのは目に見えている。
さて、どうするか?
前途多難だわ。
エリザベス、大変だったね。と思った方は、★★★★★とブクマをお願いします!
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