ダイバーシティー 〜白い部屋編〜
どこからともなく音がする・・・・・・
「ホワンホワン・・・・・・」
音はだんだん近くなって、声に変わっていく
「きて・・・・・・ お・・・・・・ 起きて・・・・・・」
全ての音が突然鳴り止んだ
真っ暗闇の中に1人の女性が僕の肩を揺すっている
「ここは?」
「よかった、生きてる!」
ぼんやりと周りが見えてきた
そこは真っ白い壁に囲まれた空間だった。
どこからともなく生暖かい風が肌をかすめた。
「ここは一体・・・・・・どこ?」
「あなたも覚えてないのね?」
「????」
「私も気づいたらここにいた、そしてあの人たちも」
あたりを見回すと白い服を着た人達が壁を背もたれにして座っている。
5,6人はいるだろうか?
特に僕が目覚めても気にもしていない様子。
「頭が・・・・・・・いててて、」
頭痛に襲われながらも立ち上がって
あたりをしばらく見回していると壁の端に旧式のパソコンの様なコンピューターが置かれているのに気づいた。
モニターはカーソルが不気味に点滅しているだけで真っ暗な画面だ。
「これは?なに?」
「私もわからない、でも怖いから誰も触ってない、」
「外部と連絡取れるかも、」
不安だが、僕はとりあえずエンターキーを押してみた、
すると・・・・・・
「ピコーン!! ピコーン!! ピコーン!! 」
けたたましい音が鳴り響いた、
「お前何やってんだよ!!」
無関心だった人が立ち上がって罵声を発した。
「きゃー!!」
周りがパニックになったが音はすぐに鳴り止んだ。
コンピュターの横の大きな筒から何か段ボールらしきものが落ちてきた。
「なんだこれ?」
恐る恐る開けてみると、中にはペットボトルの水が大量に入っていた、
「水? だ・・・・・・」
「やったー!俺にも一つくれ、」
「俺も、」
「俺が先だ!!」
一体このシステムはなんなんだ、
そしてここは一体・・・・・・どこ?
水は全て持ち去られてしまった。