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異世界に適応する少年  作者: Yuukiaway
学園潜入 編
45/448

#45 【Intermission】 The enthusiastic fan club Part 4 ~ The right to decide ~

(……魚人波掌を直に打つ気は毛頭ない……。

打つのは武器に対して。もちろん壊す気は無いけど、それで戦意を無くすことが出来れば……………)



哲郎が立てた作戦はこうだ。

・武器に直接 魚人波掌を打ち込む

・その気になればいつでも倒せるのだと分からせ、降参させる

・身体を傷つけることなく、自分の実力を見せる



(……もっとも、そんなに上手くいくとは思ってないけど、それならそれでいくらでも方法はある………。)


哲郎の脳内には様々な策が浮かんでいた。

例えば、武器攻撃が失敗したとしても、魔界コロシアムでサラを下した顎への掌底で脳を揺らすだの 方法はいくらでもある。


作戦はまとまった。



「………次は投げられると思わないでよ!!!!」


ゴオオオオオオ!!!!


レーナの持つ槍の刃からさらに激しく炎が上がった。


「……これが私の本気の力よ!!!!」

(……本気の魔法(ちから)か…………

それは好都合だな。そこに魚人波掌を打ち込めば………!!!)


両者の作戦は完全にまとまった。

あとはどちらの作戦が成功するかだ。


哲郎は動こうとはしなかった。

この手の戦いでは先手必勝という言葉が存在しないことは、魔界コロシアムに出る前から知っていたことだ。


レーナも下手に動く気配はなかった。

今しがた この自分よりも一回りも小さな"ガキ"に投げられそうになったことは揺るぎない事実だった。



哲郎は攻撃を待つ間、様々な思考を巡らせた。

武器攻撃を仕掛けるのは変わらないとして、どうやってそこまで繋げるかを考える必要があった。


その間にもレーナは哲郎に最高の攻撃を仕掛けるチャンスを伺っている。恐らくは、この1発で決めるつもりなのだ。

先程 待ちに徹す姿勢を見せたから、レーナはきっとこちらが仕掛けてくるのを待つつもりでいるのだ。


先手必勝は存在しないが、不意打ちは有効であることを哲郎は理解していた。



バッ!!!! 「!!!!?」


レーナの姿勢が傾いた出鼻に合わせ、地面を全力で蹴って強襲をかけた。

哲郎の狙いは瞬間的なことに動揺を誘い、咄嗟の単調な攻撃を誘発させる事だ。


案の定 レーナは驚きから真っ直ぐの突きを繰り出した。



哲郎はそれを読み━━━━━━

べチィン!!!!! 「!!!!?」


レーナの突きに合わせて槍に魚人波掌を放った。

レーナは宙を舞い、後方 10数メートルまで飛ばされて倒れ伏した。


(……魚人波掌 《引き潮》………!!!

まずは上手くいった………!!!)


魚人波掌 《引き潮》

それは、魚人武術の基本戦術 魚人波掌の技の一つである。

相手の攻撃に合わせて掌底を放つことで、衝撃を100%相手に返し、相手はまるで潮が引くかのように後方まで吹き飛ばされる、魚人武術きってのカウンター攻撃である。



「……どうです?

2回目のまぐれは、勝ったことになるんでしょうか?」


哲郎は本心ではない言葉でレーナを揺さぶった。このまま降参してくれれば御の字だからだ。


レーナはよろよろと立ち上がった。


「………じゃあ何………!!?

今 倒れた私にトドメを刺さなかったのも余裕だとでも言うの…………!!!?」

「さあ。どうでしょうね。」


レーナは明らかに冷静さを欠いている。

ここにさらに追い打ちとばかりに演技で煽るような言葉を投げかける。


ゼースのような短気さはないが、それでも動揺が攻撃に支障をきたすのは間違いない事だ。


「………ノア様はね、この学園のトップなのよ。私たち【Noah fan union】はノア様を崇拝するためにあるの。

あなたみたいなガキが関わっていいお方じゃあないのよ!!!!!」

「馬鹿馬鹿しい。

あなたが彼の何を知ってるんですか?

彼の交友関係に口を出す権利があなたにおありですか?」

「!!!!!」


これは半分以上 本心だった。

彼女達がノアをどれだけ尊敬していようとも、ノアが誰と友達になろうとそれに口を出す権利がある筈は無かった。


レーナの言葉が放たれることは終ぞ無かった。彼女はとうとう 冷静さを完全に失い、一直線の攻撃を仕掛けた。



(……もういいか………)


レーナ達のノアへの盲信は哲郎の想像を超えていた。最早 武器を攻撃したところで諦めることは無いだろう。


レーナは確かに本気を出していた。

それは彼女の槍から上がる炎の大きさが物語っていた。


哲郎は心底 残念に思った。

ラグナロクの炎には既に適応 しているからだ。もし魔界コロシアムの準決勝でサラと戦った日とこの日が逆だったなら、哲郎はきっと もっと苦戦を強いられていたことだろう。


そんなことを考えながら、向かってくる突きを手で上方向に受け流した。


そして無防備になった顎に自身の力とレーナの力の全てを乗せ━━━━━━━━━



全力で蹴りあげた。


ガキン という音が響き、今度こそレーナは地面にうつ伏せに倒れ伏した。

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