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異世界に適応する少年  作者: Yuukiaway
学園潜入 編
39/393

#39 Infinite Sword

観客席に当たる場所で、ファンとアリスは哲郎とエクスの手合わせを見ていた。


「……あのお兄様と張り合ってるなんて………!!!」


ファンが1人、驚愕の声を漏らした。

自分が1番エクスの実力を知っている。そして、魔界コロシアムというのがどれ程ハイレベルな大会なのかも知っている。


だからこそ、この試合に並々ならぬものを感じていたのだ。



***



「どうした!!? まだ攻撃は終わっていないぞ!!!」

「!!!?」


エクスの一喝が聞こえた瞬間、哲郎は再び嫌な予感を前方に感じ取った。

刹那、鼻先に無限之剣(パルチザン)の鋒が触れた。哲郎はそれをバク転の要領で躱した。しかし、攻撃はまだ終わらない。


今度は上前方から7本、剣が飛んできた。

躱すのはやってできないことではない。第一 仮に当たったとしても自分には【適応】がある。しかしながら、それでは一向に勝機がやってこない。


飛んでくる7本の剣を続けざまに躱しながら哲郎はエクスの懐に入り込む方法を考えていた。


「!!!」


その最中、哲郎の視界端に飛び込んできたのは、先の攻撃で地面に突き刺さった無限之剣(パルチザン)の1本だ。


(そうだ!! これなら!!!)


そして哲郎は隙を見て地面からその1本を引き抜いて構えた。


「………そう来たか。」

(………よし、行ける!!!)


剣はずっしりと重かったが、戦うには支障のない程度だった。

再びエクスの攻撃が飛んできた。

7本の剣が一気に哲郎に向かって飛んでくる。



ガキン!! ガキン!!! ガキィン!!!!


哲郎は剣をタイミング良く振り上げ、剣を弾いた。


(よし!!! いけた!!)


ぶっつけ本番だったが、上手くいなすことが出来た。難攻不落の剣の要塞に、1つの突破口が見えた。


エクスの攻撃が一瞬 止まった隙を着いて哲郎は一気に距離を詰める。 手に握った剣は両手で大きく振りかぶる。


「甘い!!!!」


ガキィン!!!!! 「!!!?」


その時、哲郎の目に入った光景は、握られていない剣が哲郎の一文字切りを受けた という物だった。


(飛ばすだけじゃなくて操ることも出来るのか!!!?)


哲郎は一瞬でその事実を理解した。


バキン!!! 「うおっ!!?」


エクスの剣が哲郎を吹き飛ばした。

哲郎はその場で回転して受身をとる。

2人は再び向かい合った。


エクスの無限之剣(パルチザン)の本当に恐ろしい点は生み出した剣の全てを意のままに操ることが出来る点にある。

とある者の分析では、理論上は1つの軍隊すら屠り去ることが出来る と評価されたことすらある。



軍隊葬列(ミリタリー・パレード)》!!!!!

「!!!!!」


エクスの周りに数え切れないほどの剣が展開され、一斉に飛んできた。

しかし哲郎は直ぐに冷静さを取り戻し、対策を講じた。

それは━━━━━━━━━━━━━




(!? 何だ!?)


哲郎は目を閉じた(・・・・・)

そして向かってくる剣を━━━━━━━━



「!!!!?」

全て弾いている。1本の剣で。

エクスは一瞬 驚愕した、しかし、直ぐに答えを出す。



(………そうか。

目で見て避けるのでは間に合わないと、そうだ判断したか。)


ガン!!! ガン!!! ガン!!! ガン!!!


目を閉じ、音と気配だけで避けられる攻撃はよけ、そうでない物だけを剣で弾く。

これで何とかエクスの攻撃に対処出来ている。


(………避けれてはいるけど、攻撃に回れない………!!!)


このままではいずれ 押し切られる という焦りが哲郎の中に起こり始めていた。


どうにかして活路を見いだせないか

その時、哲郎の頭に1つの策が浮かんだ。




バガッ!!! 「!!??」


突如、エクスの剣の1本が内部から崩壊した。それに連鎖するように周りの剣も崩壊していく。


「……… 何をした!!!?」

「魚人波掌の衝撃を剣に伝えました。」


エクスの無限之剣(パルチザン)は魔力の塊。その内部に衝撃を伝えれば、破壊するのはやってできないことではない。

哲郎は魚人波掌の衝撃を剣を媒体にして伝えることが出来るのではないか


そう考え、それを実行した。


「………確かに、魚人武術の派生技には剣術も存在する。だが、それをどこで知った?

それとも、この場で思いついたとでも言うつもりか?」

「そうです。 たった今、この場で思いついたんですよ!!!」



適応

それがあるからこそ哲郎はそれを試行することが出来たのだ。

たとえ失敗したとしても自分が怪我こそすれ死んだり敗北することは無いのだから。



「……いいだろう。

その精神力に経緯を評して、俺が直々に相手をしてやる。」


そうしてエクスは剣を抜いた。

今までの無限之剣(パルチザン)より重厚で、巨大な1本だ。


「これは今までとは違って 魚人波掌で壊せるような代物じゃない。

全力で来い!!!!!」

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