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異世界に適応する少年  作者: Yuukiaway
学園潜入 編
35/449

#35 BAD agents

(………まだ来ないのか………)


翌日

時は放課後


哲郎は件の場所の真上の天井 スレスレを浮かび、擬似的に天井に張り付いてグスが来るのを待っている。

かれこれもう1時間が経とうとしている。


張り込みにしてはまだまだ短い方なのかもしれないが、何もしない分にはかなり長いと哲郎はぼんやりと感じた。


そして退屈の中で自分には刑事は向いていないな と心の中でぼやくのだった。



カンカンカン………… 「!!!」


哲郎の意識はすぐに集中した。

足音がしたのだ。 そして、こんなところに来る必要がある人間は一人しかいない。



(………来た!!!)


グスか来た。

哲郎は息を殺して天井に潜む。


人が天井にはあまり注目しないとはいえ、何回も同じ手を使っていれば、いつ気づかれてもおかしくない。


「グス・オーガン! 失礼します!」

(よしっ!)


この前と同様、床に巨大な扉が現れた。

哲郎は隙を着いて扉の奥に入り込む。



***



(よし。まだ変わっていないな。)


哲郎には1つ 懸念があった。

それは大広間の警備が厳重になっていないかということだ。

昨日、警備を厳重にしないかという話題があったので、万が一 感じでもつけられたなら一巻の終わりだからだ。


(ようし。

この前と同じように………)


哲郎は天井の手頃な穴から天井裏に侵入し、例の大広間を覗き見るために移動した。



「ケッ 相変わらずシケてやがるぜ

この大広間はよォ!!!」 (!?)


グスとも、この前の人達とも違うドスの効いた声がした。

哲郎が覗くと、そこには銀色を切り込んだ髪型の男がふんぞり返って座っていた。


ちなみにそこにグスはいても、あの ラドラ達はいなかった。

代わりにいたのはグスを含めた3人、どれも知らない顔だった。


「なぁグス、お前はそう思わねぇのかよ。」

「んな事 どうだっていいじゃないか。

こういう隠れ家を使わせてもらえるだけありがたいと思いなよ。」

「チィ。 澄ましたこと言いやがってよォ。」



大広間にいたのは3人、1人は件のグス、そして銀髪の他に物静かな顔で紅茶を飲んでいる男がいた。

髪色は緑が混ざった茶色という印象で、長さは肩にかかるほど。 男がするには長めの髪型だった。



・グスはこの前のラドラ達には丁寧な態度をとっていた。

・ところが今日の2人にはまるで同級生のような接し方


そこから辿り着く結論は簡単だった。



(あの2人もラドラの下っ端なのか………)


確証はないが、十中八九 そうだろう。




***



以下のことは、哲郎があの後数時間見張って得られた情報である。


・今日、あの大広間に来たのはあの3人だけだった。

・あの3人が話していたことは、他愛もない世間話で、手がかりになりそうな事は特に無かった。

・結局 あの紅茶を飲んでいた男は頷きはしたものの声を発することは無かった。


つまり、哲郎が今回の捜索で得た情報は、【ラドラの組織にはグスの他に、少なくとも3人以上 配下が居る】 という少し考えれば想定できそうなつまらないものだけだった。


しかし、写真を撮ることは出来た。後でこの写真の男達が何者なのか、あの二人に確認せねばならない。


こんなことを続けていたらいじめを解決するなんて一体 どれだけ先になるだろう と少しだけ面倒くさくなってきた哲郎だったが、そこに予想外の人物が現れた。




「………おい。」 「!!!?」


哲郎が突如声の方に振り返ると、そこには長身の男が立っていた。


髪型は前髪を分けた短髪 どこでも見かける髪型だった。

色は右側が黒で左側が黄色 という、哲郎のいた世界ならともかくラグナロクではあまり珍しくないものだった。

服装はこのパリム学園の制服 そのものだった。服装も顔つきも10代に見えるが、同時に哲郎の目には何か得体の知れないものが映ったような気がした。


「えっと………僕ですか?」

「お前以外に誰がいる?」


一瞬 そんな言い方無いだろう と言いそうになるのを堪えると、哲郎が質問するより早くその男が口を開いた。


「お前に話がある。 ついて来い。」


警戒はしたものの哲郎はついて行くことにした。もしこの男が自分の敵ならば、こんなまどろっこしいことはせずに有無を言わさず 拉致するはずだからだ。



***



哲郎が案内されたのは、どこかの事務所のような部屋だった。


「……ここは………?」

「何をしている。早く座れ。」


男に促されて哲郎は渋々と椅子に座った。


「……まぁ、こんな形にはなったが、俺はお前に危害を加える気は無い。」

「……まぁ、そうでしょうね。」


その男はテーブルを挟んで哲郎と向かい合った。



「……ここ気にて貰ったのは他でもない。

マキム……いや、テツロウ・タナカ。

お前に手を貸そうと思ったからだ。」

「!!!??」


この男、今なんと言ったのか。

自分の耳が正しければ、今確かに自分の本名を言い当てた。


自分は今、パリム学園の短期留学生 マキム・ナーダとしてここにいるはずなのにだ。


「……俺は全てを知っている。

だが、驚く必要は無い。俺はお前の味方だ。」

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