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移動開始。

プロローグもどきです。短め。

「ハッピバースデートゥーユ〜。ハッピバースデートゥーユ〜。ハッピバースデーディア自分〜。ハッピバースデートゥーユ〜。10000歳おめでと〜!ありがと〜!」


今日は彼--コアが転生してから10000年記念日だ。


コアは神の“異世界転生体験ツアー”に巻き込まれ、転生した。その際何になりたいか聞かれた時、他の参加者が勇者だの賢者だの言っている中1人、「ダンジョンコアになりたい」と言ったのだ。


その理由は主に2つ。

一つ目は、コアがかなりの面倒嫌いな事。勇者や賢者になってしまうと、国からの指令なんかが来そうなので嫌だった。


二つ目は、コアがシュミレーションゲーム大好き人間である事。ダンジョンコアになれば魔物を配置して冒険者を倒したり、罠を組み合わせたりできると思ったからだ。

ダンジョンマスターでもいいかもしれないが、マスターはコアと違って死の危険があるのでコアを選んだそう。


「いやぁ、本当この10000年は長い様で短かったな…」


コアは転生してから5000年かけてダンジョンコアとして出来る事を全て調べ、体験し、使いこなれるまでになった。その努力もあってか、今までこのダンジョンが見つかった事はない。


厳密に言えば見つかりはしているのだが、一度を除き全ての侵入者を排除してきたので情報が漏れていないのだ。



転生してから7000年後、コアは自分の中にDPを自動生成する装置を開発した。


DPとはダンジョンポイントの略で、魔物やアイテムを創り出すのに使うものだ。ダンマス物のな○う作品でよく出てくるやつだ。


そいつが1秒に100くらいのペースで回復するのだから、挑む側からすればたまったもんじゃない。やろうと思えば四方を落とし穴で囲って動けなくしたところに岩石を落とす事だって出来るのだから。



そして転生してから9000年、コアはホムンクルスの中に『核』として本体を入れ、その体を使って移動することが可能になった。


コアはダンジョン内の全アイテムと全魔物、そしてダンジョン自体もコアの中に収納出来るので、移動した先でダンジョンの魔物を配置することも出来る。普通のダンジョンコアでも出来るのだが、そもそも移動出来ないので意味はない。


ダンジョンじゃないのにどうして魔物を配置出来るの?と思った人も居るかもしれないが、ダンジョンコアの周囲、半径50mはコアルームという事になっているので、何処だろうと自分の周りは好きな様に弄れるのだ。


そして今日で10000年。調整を続けて完璧なホムンクルスを創り出したコアは、今日、初めて街に降りようとしていた。


「遂に街か……やばい、久し振りの会話だ…ちゃんと話せるかな?」


ホムンクルスの体を動かしながら、会話の練習をするコア。


そして、ゆっくりとダンジョンだった場所の外に出る。ダンジョンは、魔物含めて全て回収済みだ。


「あ〜、懐かしの太陽!さぁ、街へ向けて出発ーー!」


ダンジョンコアが動き回り始めた。
















その頃、山の麓にある森の中にて、鬼ごっこが行われていた。


「はぁ、はぁ、はぁ、いつまで、追って、くるんだ、」


逃げているのは、黒髪で赤と黄色がかった赤のオッドアイの少女それに対して鬼は筋肉隆々の男だ。


「いつまでぇ?そんなのぉ、お前を引っ捕らえるまでに決まってるだろぉ?」

「ふざ、けるなっ!私は、偉大なる、皇帝の、娘だぞっ!どうなるか分かっているのか!」


どうやら少女はどこかの帝国のお姫様の様だ。


「ふはははっ!こいつは滑稽だ。まさかまだ故郷が残ってるつもりだったのか?」


そしてその国は滅んだ。

少女の目から光が消え、別の光るもので満たされて行く。


「そんな、はず、無い!…父様はがそんな簡単に、死ぬわけない!国が、滅びるなんて……ぅ、ぐすっ…」

「ははw泣いちゃったか?ガキ、お前の親は死んだんだよw故郷も滅んだんだ。お前が頼れるものなんてもう無いんだよw」


男はそんな少女の様子を見て嘲笑う様な声を上げ、最後の希望を無くした少女はその場にへなへなと座り込む。追いつかれた。もう、少女が逃げる事は、出来ない。


「つーかまーえた。残念だったな?お貴族様の中に「あの散々邪魔してくれた帝国の最後の希望を徹底的に壊してやりたい」って人がいてな、その人がいい金出してくれたんだわ。だからお前はその人の鬱憤を晴らす受け口になるんだ。よかったな、父親の仇に初めてを渡せてww」


少女はこれから、帝国に不満を持っていた者に引き渡され、甚振られる。色々な趣向で。


「い、やぁ…ひぐっ、ぐすっ、そんなの、ぅぅ…やめてよぉ…」


少女は抵抗を試みる…が、既に折られた心と長時間走り回って疲弊した身体では高が知れている。そのまま男に担がれ、力無く泣くことしか出来ない。


「ハハハハハ!これだけで金が手に入るってんだから楽な仕事だよなぁ!」


男は依頼人と待ち合わせている、山の中の小屋へ向かって、歩き出した。

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