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Perfect murders  作者: ファンセバスチャンなおき
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飯島①

約束の時間、正午になった。小島は小谷に連絡した。

「お世話になります。家具屋ふーちゃんの小島です。今回のご依頼お引受けいたします」

「本当ですか、大変嬉しいです。早速手付金のお支払をさせていただきます」

「ありがとうございます。振込先のご案内をいたします。メモのご用意をお願いします」

そうすると直哉は振込先を案内した。

「手付金のお振込が確認できますと、そこから我々の仕事が始まります。およそ1ヶ月後に結果を面談にてお伝えいたします。また後日ご自宅に家具が到着いたします。弊社はあくまで家具屋でございますので」

翌日、小谷から振込があった。依頼を受ける際、念のため通帳のコピーもしくはそれに類するものの提出を求めるようにしている。単純に依頼人の支払余力を見たいからだ。

私たちは周到な準備をする。仕事の8割は準備というが、私たちは99%が準備できていなければ殺害に及ばない。不測の事態を起きたとしても対処できるようにだ。

5月20日飯島が出所する日だ。八王子刑務所の前で、私と直哉は<家具屋ふーちゃん>と書かれたハイエースで待ち伏せをした。

11時すぎ、30年前の写真と若干面影の残った飯島が出てきた。

深々と刑務官に一礼した。その姿だけでも模範囚と言えるほどの出で立ちだった。

ここから先は尾行だ。身元引受け人が誰かだが、事前情報では母親がまだ生きているため、恐らく一旦は彼女だと推察できた。

「とりあえず俺が尾行するよ。直哉は事前に飯島の実家に向かったといてくれ。車はちゃんと変えとけよ」

「オッケー」

飯島は八王子駅を向かっていた。飯島の両親は飯島の事件をきっかけに以前住んでいた池袋から中野へ移り住んでいた。もちろん周りの目があったようで、飯島の両親は相当のバッシングを受けた。恐らく飯島の両親は服役していた飯島以上に厳しい生活をしてきたのだろう。

飯島は予定通り中野駅で降りた。駅には飯島の母親らしき人が待っていた。

その女性は飯島の手を引き、また飯島も照れ臭そうにしながら付いて行った。

駅から5分程度歩いた場所でその女性はアパートの二階を指差した。恐らくここが住まいなのだろう。

「俊、こっち、こっち!」

直哉が俺の袖を引っ張る。

「おう、直哉!早かったな」

「だろ、事前にあのお婆ちゃんの家に盗聴器仕掛けておいたよ」

やはり直哉は仕事が早い。

2人で先ほどとは違うワンボックスカーの中で仕掛けた盗聴器を聞いた。

「タケちゃん、よく頑張ったね。お疲れ様でした」

「母ちゃん、苦労かけたな」

久し振りに会う親子の当たり前のやり取りというべきだろう。

「直哉、どう思う?この立地だとここでやるのは厳しい気がするんだけど」

「こんだけアパート、マンションが多いと嫌だね。まずこのアパートの中でやるのはやめた方が良さそうだ。全部の部屋に人が入ってるし、物音させられないよね」

居住空間でアパート、マンションはまず私たちは避ける。万一人に見られたらその時点でアウトだからだ。

「飯島の働く場所が決まってるかどうかだな」

ここから2週間ほど飯島を尾行、張り込みをした。これは殺害の機会を伺うのではなく、あくまでそれに適したタイミング、場所を選定するためだ。


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