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Perfect murders  作者: ファンセバスチャンなおき
2/19

老婆の依頼①

季節は春。といっても5月となればだいぶ暑くなったものだ。家具販売も売る気がないが、客はなぜか入る。ふざけた椅子ですら<500万円>の値をつけてるのだから、誰も手を出さないだろう。

小島の携帯電話が鳴った。仕事の依頼だ。

「いつもお世話になっております。家具屋ふーちゃんです。仕事のご依頼ですね。では本日16時に。場所はこちらから指定します。しばしお待ちを」

小島の電話応対はいつも素晴らしい。歌舞伎町で2年間ホストでナンバーワンに君臨していただけのことはある。

「つかっち、依頼だ。どこで会う?」

「お昼休みはウキウキウォッチングあっちこちそちこちいいともー、だからアルタ前」

「わかった。18時で良いよね?」

「時間は任せるよ」

基本的に面談は小島の役割だが、必ず近くでしかもわからないように私と直哉も聞く。同じ情報量でチームメンバー統一したいからだ。

今日の依頼者は75歳の老婆。アルタ前で待った。依頼人には18時と伝えていたが、私たちは約束の10分前に待ち合わせ場所に着く。

まず依頼を受けるかどうかは依頼人が時間通りに来るかどうかで判断する。もし遅刻したらその時点で依頼はなかったことにする。どんな金持ちでも時間を守らなければ約束も守れない人間だと即座に判断するようにしている。

今回の依頼人は10分前というのにすでに到着していた。

小島が話しかける。私と直哉は小島の背後で3人がチームだとバレないように適当な会話をしている。

「小谷さんですか?」

「はい、さようでございます」

だいぶ上品な話し方である。どことなく資産家のようで着ている服装や装飾品もすべて高価そうなものだった。

アルタ前は騒がしい。というか東京という他人に興味がない場所でとなりが何の話をしているかなど興味はないのだ。となりで誰に恨みを持ち、どうやって殺してほしいなど見方によってはそんな面白そうな会話も雑踏の中では空気と同じように意識されない。だから私たちの依頼を受ける場所は人混みの中で行う。フードコートであったり、今日みたいな場所であったり。ただ天気の良い日は新宿御苑にしている。単純に私が好きだからだ。

小島からいつもの提携ゼリフで老婆に話す。携帯電話屋でいうところの重要説明と言ったところだ。意外にこれは依頼人から信頼を得るのに必要なステップである。

「まずご依頼を受けるにあたって弊社は4つの条件があります。

①今回のご依頼に<正義>があること。

②ご依頼人様が我々に対して絶対嘘をつかないこと。

③ご依頼を受けてから殺害に及ぶまで1ヶ月かかること。

④この一連のやりとりはすべて極秘であること。

以上の4つです。よろしいでしょうか?」

小谷はあっさり頷いた。

「では事前にお願いしていました基本情報に基づいてお話しさせてください」

アルタ前は今日も人が多い。やはりこの場所は好都合だ。



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