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タクシー
宮古島に着いたのは昼過ぎだった。空港から望月のいる合宿所まで車で30分。直哉はしばしの睡眠が功を奏したのか、相当元気で困る。
東京のように嫌味のある暑さに比べると、心地よい暑さに感じられた。それはこの宮古島の雰囲気なのか、それとも実際の気候の問題なのか、そんな事はどっちでもよかった。
まずはタクシーで望月のいる合宿所まで向かった。その向かう最中タクシーの運転手は色々な話を聞いた。
「あら、お客さん、スキー関連の人?一昨日ぐらいから合宿だからね。最近はね、プロ野球もサッカーもあんまり、宮古島使ってくれないんだよなぁ。商売上がったりだよ。10年前はさ、プロ野球のキャンプもあってさ、そのおかげでファンもテレビも来て大盛り上がりだったんだ。今となったらスキーぐらい。大事にしなきゃだよな、選手もファンもね」
合宿所に着いた。まずは立地、行動パターンを頭に叩き込む。