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Perfect murders  作者: ファンセバスチャンなおき
10/19

ダルちゃん

歌舞伎町の夏は暑くて臭い。事務所へ向かう道のりの中に果物屋がある。そこで飾られているドリアンだろうか、独特の臭いを発する。ただ私はそれが嫌いなわけではない。その臭いの強さを感じるのが歌舞伎町の夏なのだ。

11時に事務所へ着いた。

「つかっち、遅いよ。さっきダルちゃんがやってきてさ、早く紹介手数料払えってうるさいんだよ」

直哉が面倒くさそうに話した。ダルちゃんというのは私たちのビジネスパートナー。客を見つけてくれる。と言っても特定の客に<perfect murders>の連絡先を教えるだけなのだが。ある程度の資産があり、ある程度の恨みを持っている顧客の心の隙間にある一定の情報だけ伝える役割をダルちゃんにしてもらってる。

この稼業を始めた当初客を闇サイトで募っていたが、私たちが求めている顧客層ではなかった。十分な資産がなく、年齢層も子供が多かった。そこでふーちゃんが昔の歌舞伎町ネットワークでダルちゃんを紹介してもらったのだ。

ちなみにダルちゃんはおそらく40歳半ばの女性で無駄に美人である。元クラブのママだということは教えてもらったが本名もどこに住んでるかも知らない。私たちには関係のないことだから別に気にもとめていないのだが。

ダルちゃんという呼び名はいつもダルそうにしてるから、ただそれだけで私たちが勝手に読んでいる。

「ダルちゃん、怒ってた?別に払いたくないわけじゃないんだけどタイミング悪いな」

「午後イチに来るって」

ダルちゃんへの支払いは決まって私がする。別に他の2人にしてもらっても問題はないが、体裁上私に決裁権があると外部の人間に示したいからだ。

今日の仕事は紹介者に手数料を払う。楽な仕事なのかもしれない。


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